きまぐれなとて
ふんわりとした生地に包まれて
塩原温泉 栄太楼
栃木県那須塩原市塩原
塩原温泉郷は子どもの頃からよく行く定番の温泉地だ。ちょっとした旅行にぴったりの距離、そしてバラエティに富んだ個性派温泉の数々。日帰りで訪れたり、宿泊してのんびりしたりと、とっても便利な温泉地だ。今回は宿泊にしたのでのんびりと街並みを散歩しようかなと温泉街をブラブラ。そこでやたらと目につくのが「とて焼き」という幟。パンフレットを見つけたので目を通してみると、平成23年(2011)から始まった塩原温泉の新しいご当地グルメとのこと。その昔、塩原名物だった「トテ馬車」のラッパ型クラクションをモチーフにした食べ物なのだそう。いくつかのお店で提供していて、具材はそれぞれオリジナリティ溢れているようだ。一見するとクレープなんだけど、スイーツに限定されているわけではなく、お店によっては寿司だったり、お肉だったりと、変わりダネも多いみたい。まずはオーソドックスに味わいたいとスイーツ系で探してみた。すると「栄太楼」という和菓子屋さんのが美味しそう。さっそく中に入ると奥にカフェみたいのがあった。じっくりと座って食べられるのはいいね。ここのとて焼きはバナナとあんこ、そして白玉という、濃厚なスイーツ系。ちょっとあんこは甘ったる過ぎるかなと、チョコがけに変更したものを注文。するとほどなくして運ばれてきたものは、けっこうなボリューム感。クレープのようかと思ったけど、包んであるのはどら焼きというかホットケーキのようなフワッとした生地のもの。那須塩原市産の牛乳と卵が使われているのだそうな。バナナと白玉の相性もけっこうイケる感じで、生地が厚めなので、中のクリームの行き場があるのが嬉しい。生地が薄いとどうしてもクリームが前面に出すぎてしまうけど、すごくバランスがよく、すっきりと食べられる。なるほど、こういうものならスイーツ系でも食事系でも何でも行けそうな気がするぞ。こうなってくると食べ歩きをしたくなっちゃうね。
2020.03