日田チャンポン(中)
日田で愛される癖になる甘さ
ひたの味 寶屋
大分県日田市元町
大分県の北西部にある日田市にやってきた。内陸部だけど盆地になっていて、古くから栄える街なのだとか。日田温泉を楽しんで、さぁてどこかで夕飯でも食べようと検索すると、JR日田駅の駅の目の前に「寶屋」という食事処があった。ここら辺の地主なのか、古くからここに店を構えているみたいだ。さっそく行ってみると、大きなビルの1階にその食事処はあった。ビルの案内板を見ると、1階が大衆食堂で、2階が座敷、さらに上の階には宴会場やパーティー会場もあるらしい。食堂はもっと格式張っているのかと思いきや、大衆食堂と銘打っているだけあって田舎町の食堂って感じの垢抜けない素朴な雰囲気の店だ。でも、けっこう繁盛しているようで店員は忙しそうに走り回っていた。席についてメニューをみると、定食から丼もの、寿司まである。寶定食とか刺身定食なんてのもあって惹かれた。でも、ここで人気はチャンポンらしい。確かに他の客の多くがチャンポンを頼んでいる。そんなわけでチャンポンを注文してみた。どうやら特製の日田チャンポンと言うらしい。大中小とあるのでとりあえず中を選択。しばらくして運ばれてくると、けっこうなボリューム。女性なら小で十分でしょう。大にしなくてよかった。さっそく食べてみると、ん? 何だか妙に甘い。野菜の甘さなのかな?砂糖のような甘さではなく、もっとまろやかな甘さだ。でも、この甘さが癖になりそう。いくら食べてもしつこくなく、すごくあっさりとしている。これは非常に食べやすい。具もすごくたくさんあって、野菜もシャキシャキしていて、とにかく美味しい。なるほど、これは正解だな。長崎のチャンポンとは違い、スープは白濁してなく、少し透明度のある薄こげ茶色をしている。でも、王道ではないものの、決して奇をてらったものでもなく、オリジナルから逸脱したものでもなく、これはこれでしっかりとチャンポンなのだ。とても満足できる逸品だった。
2021.04