あぶらふ丼と小はっと汁
素朴なのに深みのある宮城の郷土料理
はっとや
宮城県黒川郡大和町宮床
七ツ森湖の奥にある滝ノ原温泉ちどり荘で立ち寄り入浴をしたあと、どこかでランチでもしたいなぁと近くの店を検索すると、「はっとや」という小さな店を見つけた。気になったので調べてみると、どうやら「らーめん」や「はっと汁」、「あぶらふ丼」などを提供する店のようだ。ちょっと変わったローカルフードが食べられそうなので、この店をチョイス。店は本当に小さなもので、ちょっと混雑すると入れない感じだ。先客が一組だけだったので良かった。店に入るとカウンター席があったので、そこに座る。奥には座敷もあるのかな?カレーなどもあるようだが、気になる「あぶらふ丼」を注文することにした。すると、「AとBとどっちにしますか」と聞かれた。Aは「あぶらふ丼と小はっと汁」、Bは「はっと汁と小あぶらふ丼」。なるほどどちらも楽しめるセットメニューで、どちらに重きを置くかってことね。そしてAを選択した。しばらくしていい匂いがしてきたら、出てきましたぞ。仙台名物の油麩を、親子丼のようにして玉子でとじた「あぶらふ丼」。油麩がいい具合に出汁を含んでいて、しっかりと旨い。麩とたまごとじだけだと物足りないかいうと、そうではなく、これはこれで完成しているし、とにかく旨い。そして「はっと汁」は宮城の郷土料理で、小麦粉を練って伸ばしたうどんみたいな料理。地域によっては「ひっつみ」とか「ほうとう」とか、似たような食べ物があるよね。野菜と煮込んでいて、これがまたすごく優しい味。野菜がいい味を出していて、健康にも良さそうな感じ。どちらもすごく好みの味で、めちゃくちゃ美味しかった。ご主人もとても愛想のいい方で、すごく丁寧で人柄のよさがうかがえたのもいいね。飽きの来ない何度も食べたくなる味だと思った。
2023.08