おすすめ小鉢定食(4)
定番郷土料理を欲張りに食べ尽くす


あかさたな
沖縄県那覇市松尾
新しくなった牧志公設市場は、いまやすっかり観光客向けの施設になっている感じで、気軽に郷土感を味わうには面白いところだ。その付近で食事できるところを探していて、市場のすぐ裏にある「あかさたな」という食事処がとても気になった。すぐ裏なのに妙に隠れている感じがあって、素朴な感じもいい。メニューを見るとけっこうリーズナブルで美味そうなので入ってみることにした。定食は郷土料理を小鉢でセットにした感じの「おすすめ小鉢御膳」が良さそう。席について料理を注文するが、いくつか種類がありとても悩む。そして番号でオーダーする。驚いたことに周囲の客は自分たち以外すべて外国人だった。店の威勢のいいおばちゃんも、ほかはみんな外国人だよ。と教えてくれた。しかも、そのおばちゃん、英語も堪能で臆することなくガンガン攻めて、しっかりと説明してオーダーをとってくる。凄いなぁと感心してしまった。今回は四番の「テビチの煮こみ、三枚肉と野菜の煮物、どぅる天(小)、グルクンの蒸し焼き、沖縄のイカすみ汁、白飯」を注文。どうでしょう、この素晴らしい取り合わせ。どんどん小鉢がテーブルに並んでいくけど、どれも美味そう。しかも小鉢といいながらも、しっかりとボリュームもあるぞ。テビチはプルンプルンで甘くてとろける感じ。煮物は見た目も上品で味は濃いめだけど、旨味が強くて美味しい。グルクンはさっぱりと蒸されているけど、酸味の効いた味が染みてて美味い。イカすみ汁は意外とあっさりだけど、これまた奥深いコクを感じる。どれも味付けがとても上手。日本人も外国人もすっかり虜にしてしまう感じだ。こんないい場所なのに穴場的な雰囲気がとても気に入った。
2025.05