沖縄県
じぇいえいぎのわん てんねんおんせんあろま
JA宜野湾 天然温泉アロマ
沖縄本土にある内地的な日帰り温泉施設
沖縄は全国の中でも温泉資源の貧しいところです。内地の人から見ると沖縄は常夏レジャーの島、という印象を持つ人が多いので、温泉の印象はあまりないのではないでしょうか。でも、そんな沖縄県にもいくつかの天然温泉施設があるんですね。そのひとつがこの天然温泉アロマです。横浜ベイスターズのキャンプ地でも有名な宜野湾の海沿いにあります。本格的な日帰り温泉施設ということでさっそく訪れてみました。辿り着いてみると、整備された広い駐車場に、切妻屋根の大きな和風な建物。内地でもよく見かけるような一般的な温泉施設のようです。館内もゆったりとして清潔的、ホテルのロビーのような感じです。料金はちょいと高めな気がしますが、希少価値的な要素も含めるとこんなものかもしれませんね。浴室もまた大きくて、いくつもの湯舟が楽しめます。寝湯やバブルバスなどの効果浴が楽しめる内湯と、外には岩風呂の大露天風呂があります。浴室全体が雰囲気というか設備というか、内地にありがちな温泉健康ランド的というかクアハウス系のつくりで、とてもしっかりと設計された印象です。沖縄の温泉なのだから雰囲気や設備も内地とは違うのかなと思っていたのですが、沖縄らしさどころか、むしろ沖縄らしさのないものでした。それもそのはず、この施設を作るにあたっていくつかの内地の似たような施設を調査したとのことです。日本の温泉文化を沖縄の人にも伝えて、その温泉による医学的効果だけでなく、リラックス効果やリフレッシュ効果を体験してもらう、そんな意図があるのかどうかはわかりませんが、そう感じるような施設でした。それを裏付けるかのように、施設はかなり本格的で、特に露天風呂は見事です。広く突き出た軒下に半分かかるような大きな岩風呂があり、その目の前には優雅な日本庭園が広がります。老舗の和風温泉旅館にでもいるような、そんな落ち着いた雰囲気がありました。また、一角には源泉がチョロチョロと掛け流されていたりして、しかもしれを飲泉することができるのです。演出もさることながら、温泉も本格的なのです。さっそく試飲してみると、滑らかな塩味のついた美味しい湯でした。この温泉は古代海水が由来とのことですが、とてもマイルドなものです。湯舟の湯の色も、少し白濁したような薄いエメラルドグリーン色をしています。竹筒からジョロジョロと流れる湯の音を聞きながらボーッと過ごしていると、ここが本当に沖縄なのかと疑ってしまうほどです。しかし空を見上げると、南国らしい青い空と白い雲、流れる空気にも生暖かさがあり、異国を感じさせる場面もあります。すごくいい雰囲気なのですが、やはり気になるのは沖縄らしさです。すぐ目の前は海が広がるはずですが、高い壁で外は見えません。もう少し沖縄要素を加えて、ナイチとウチナーの折衷要素を盛り込んだ方が面白いような気がしました。
掲載: 2000/05/12
Data
- 所在地:沖縄県宜野湾市大山
- 入浴 :2000年2月
- 泉質 :塩化物泉
- 泉温 :源泉43度
- 形態 :温泉施設 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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