和歌山県
かわゆおんせん・せんにんぶろ
川湯温泉・仙人風呂
冬の風物詩!川を堰き止めたダイナミックな露天風呂
川湯温泉は熊野川の支流、大塔川の川底から湧く超ワイルドな温泉で、紀伊半島を代表する温泉地のひとつです。冬場は豪快にも河原を一部堰き止めて巨大な露天風呂「仙人風呂」になることでも有名ですが、夏場に訪れてみると見た目にもごくごく普通の川にしか見えない不思議なところです。川湯温泉周辺はいくつかの旅館やホテルはありますが、山の中のわりと静かな温泉地で周辺は緑で覆われているので本当に野趣的な雰囲気があります。川底から直接ポコポコと温泉が湧いていますが、そのまま流れてしまうので川に入っても温かくはありません。しかし石で囲いを作るとそのままそれが湯舟になってオリジナルの露天風呂になってしまうのです。場所によってはけっこう熱い湯が出ているので、川の水を引きこんで温度調整しなければなりませんが、その苦労がまた楽しくもあり面白みでもあるようですね。自分で露天風呂を作るのは大変だというものぐさな人は、冬に来ることをオススメします。豪快に堰き止められた川はそのまま巨大な露天風呂になるんだからそのスケールの大きさに驚くことでしょう。仙人風呂は毎年11月から2月の渇水期に作られ、川湯温泉の冬の風物詩にもなっています。10月の後半になると状況とタイミングを見計らって重機によって豪快に掘りながらつくるそうです。河原には全体をぐるっと取り囲むようにムシロの壁ができていて、女性用の簡易的な脱衣所もありました。男性用の脱衣場はありませんでしたが、特に混雑してなければそのままワイルドに飛び込んじゃってもいいでしょう。夏場はただの川に見えた河原も冬場になって気温が下がってくると豪快な湯けむりでとても不思議な光景に見えてきます。訪れたときも相当寒い日だったので、湯舟付近は完全に濃霧状態になっていました。露天風呂なのに湯けむりでいっぱいというのも不思議な感覚ですよね。それにしても川底から直接湧いているために多少熱かったりぬるかったりとばらつきはありますが、だいたい42度前後と安定した湯温になっていたのはさすがですね。こういうロケーションの場合、湯がわりと川臭いというか生臭かったりすることが多いですが、川湯温泉ではしっかりとした温泉臭があるのも特徴的です。さすがにこれだけ大きいと露天風呂とかいう感覚はなく、完全に川の中という感じにしかとらえられないので、裸で入っていると少し違和感も感じますが、これがまたワイルドというのかすごく開放的な気分になれます。彼らはどういう気分で入っているのかわかりませんが、鴨や鷺なんかも泳いでいたりしました。ここは天然の河原を単に掘っただけのものなので、雨天で水位があがったり悪天候のために流失したりすると利用することができなくなるので、事前に問い合わせてから訪れた方がいいかもしれません。
掲載: 2000/01/01
Data
- 所在地:和歌山県東牟婁郡本宮町
- 入浴 :2003年12月
- 泉質 :単純温泉
- 泉温 :源泉73度 湯舟42度前後(状況により変化)
- 掘削深度:ちょこっと
- 形態 :野天風呂 混浴
- 効能 :神経痛・糖尿病など
- 脱衣所:あり(女性専用のみ)
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆
- 気軽度:☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆
- 異色度:☆☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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