長野県
かみすわおんせん・かたくらかん「せんにんぶろ」
上諏訪温泉・片倉館「千人風呂」
大正時代のロマンを感じるレトロな温泉浴場
諏訪湖畔にあるレトロな洋館「片倉館」は一見したところ資料館か博物館のような佇まいですが、実は地元の人や観光客が気軽に入れる温泉施設なのです。見た目からして歴史を感じさせる建物なんだけど、それもそのはず片倉館は諏訪市の有形文化財指定を受けている本物の歴史価値ある建造物なのです。シルク・エンペラーとして世界に名を馳せた片倉家が昭和3年に創業50周年を記念して竣工した片倉館は、製糸業従業員の福祉厚生と地元住民の健康福祉を兼ね備えて建てられたものだそうです。現在では一般にも開放され年間20万人もの方が訪れているとのことで、団体が観光バスでやってくるほどの人気のスポットになっています。正面入口を中に入るとコイン式のシューズロッカーがあり、正面奥に受付があって右手が男性用、左手が女性用にわかれていました。脱衣所は比較的広く、それなりの人数なら収容できそうです。脱衣所のロッカーもコイン式のロッカーになっていました。浴室に入るとまず驚くのが周りは全部大理石なのです。しかも壁や浴室のいたるところに彫刻が施されていたりして、神殿の中にでもいるような気分です。さらには窓はステンドグラスになっていて豪華絢爛そのものといった感じで、とても風呂場とは思えない贅沢な造りになっています。洗い場も大理石の彫刻の裏にあります。洗い場は奥にありますが手前側にも小部屋があってカランが並んでいました。ボディソープやリンスインシャンプーも備わっています。湯舟も大きな長方形の大理石造りでけっこう広くて深さもミゾオチぐらいあって、開放感と圧迫感が重なり合ってとても気持ちがいいです。千人風呂というわりに千人はさすがに入れないけど、100人くらいならなんとか入れそうなぐらい(イモ洗い状態だけど)のプールのようなスケールです。人気の観光地とあって時たま観光バスでやってきた団体が一気にドドドォーーーッと押し寄せて来ますが、それでも浴室の間取りがうまいのかそんなに混雑しているようには感じないところもいいですね。それから歩くと底に敷き詰めてある真っ黒な那知黒石が足の裏を微妙に刺激してとても心地よかったです。あのジャラジャラと歩くときの刺激ってどういうわけか口頭部に刺激がやってきて、その微妙な刺激が何とも気持ちいいものなんですよね。それから浴室の一角には狭いながらもラドン浴室が設けられています。呼吸によるラドンの吸収と低温のお湯による負担の少ない入浴で疲労回復に抜群の効果があるのだそうです。温泉は弱アルカリ性低張性高温泉で無色透明、やや青白い気もするようなしないようなお湯自体にあまり印象がないのですが、この雰囲気は格別ですので是非とも味わってみることをオススメします。
掲載: 2000/07/05
Data
- 所在地:長野県諏訪市湖岸通り
- 源泉名:混合泉(あやめ公園源湯、新三ッ釜源湯、新三ッ釜第2源湯)
- 入浴 :2003年10月
- 泉質 :単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
- 泉温 :源泉62.3度
- PH :7.9
- 蒸発残留物:535mg/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、痔疾、冷え症など
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 穴場度:
- 野趣度:
- 優雅度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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