栃木県
しおばらおんせんきょう ふくわたおんせん・いわのゆ
塩原温泉郷 福渡温泉・岩の湯
吊り橋を渡った先にある名物露天風呂
塩原温泉郷は多くの文人、画人、詩人、実業家なども訪れている歴史ある温泉地。知っている人にとっては当たり前なのだけど、けっこう知らない人がいるのが、塩原温泉という温泉地は無いということ。自分も始めは知りませんでした。塩原温泉郷は畑下、福渡、塩釜など幾つもの諸温泉をひっくるめて総称として塩原温泉郷と呼ぶのです。岩の湯は福渡温泉にあり、素朴ながらもワイルドでオープンな人気の露天風呂です。箒川に架かる釣り橋を渡っていくとすぐのところにあり、温泉を利用する際には吊橋を渡るときに設置されている料金箱に入浴料を払うシステムになっています。ということで、管理人は常駐していない無人の温泉施設です。しかもホントさりげなくただ湯舟があるので、大らかさは抜群のロケーションです。男女混浴で脱衣所もちょっとした縁側っぽい台がある程度でなので、シーズン中など混んでいる時は女性の方は入りづらいかもしれないです。しかしながら、とってもいい湯なのでチャンスを見て是非とも入ってもらいたいです。湯舟は岩造りの四角いのと丸みを帯びたのと2つあります。四角い方も丸い方もそれぞれ5,6人程度ずつ入れるくらいの大きさでした。湯は薄いウグイス色ってな感じで透明度がだいたい50センチメートルくらいありました。湯舟の底が見えないのでゆっくりと足を入れますがなかなか底に辿り着かないので焦ります。結局、腰くらいまでの深さがありました。入るときには深さを確認して注意しながら入りましょう。また、けっこう熱いお湯でゆっくりと浸かっていると汗がドッと出てくる程でした。湯舟の底は細かい砂利のようでサラサラと足の底の感覚がありました。動いているとときたまグニャと落ち葉などの感触があり細かい黒いススみたいなのが湯舟を漂っていました。そぉーっと入っているとまた澄んでくるようです。底の砂を拾い上げると黒い砂でした。底からはときおりポコポコと気泡が出てくるので、湯は下からも涌いているのでしょう。丸みをおびた湯舟には破れた管から湯が苔に覆われた岩肌を通して注がれていました。四角い方には注がれていないのに湯があふれていたので、けっこうな量が底から涌いているのでしょう。お湯をちょっと舐めてみるとすごく苦いです。ちょっと奥の不動の湯とはまた泉質は違うようです。目の前の川の流れを眺めながらゆっくりするのが大変気持ち良かったです。ただ、こんな素晴らしい温泉を誰でも気軽に利用できるのが裏目に出てか、ビールの空き缶やら食べ物の袋、タバコの吸殻などゴミがやたらと多く目立っていました。利用者のマナーがあまりにも悪いため閉鎖されてしまった温泉などもあると聞くので、とても不安です。自然の中の開放された温泉の意義をよく考えて利用しましょう。
掲載: 2000/07/28
Data
- 所在地:栃木県那須郡塩原町
- 訪問 :2000年7月
- 泉質 :ナトリウム−塩化物泉
- 形態 :共同浴場 混浴
- 効能 :神経痛・リウマチ・婦人病など
- 脱衣所:あり(縁側程度の簡単なもの)
- 開放度:☆☆☆
- 秘湯度:☆
- 野趣度:☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 評価 :☆☆☆
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