長野県
かみやまだおんせん・かめのゆ
上山田温泉・亀の湯
大きな温泉街の中にある素朴な共同湯
町の境界線が複雑に入りくんだ温泉街として有名な上山田温泉は、戸倉温泉とあわせて戸倉上山田温泉として親しまれている、千曲川河畔の温泉です。明治の中頃に上山田村(当時)が河原を探査したときに、多数の亀が群がっている水辺を見つけ水が温かいことを発見。削掘すると地下29メートルで熱泉が噴出し、「亀の湯」と命名して開湯したとのことです。その名を受け継いだ共同浴場の「亀の湯」に行ってきました。この亀の湯は街の中心街から少し離れた場所にあり、コンクリート造りの小ぢんまりとした地味な印象の建物です。建物自体はぜんぜん小さくもないのですが、あまりにも地味な雰囲気なので何となく小ぢんまりとした雰囲気に感じます。周囲にもすっかり溶け込んでいて、特別なものというよりは日常的なものという飾らない雰囲気がいいです。入口の券売機で入湯券購入し中に入ると、こちらも地味で懐かしい感じの脱衣所がありました。男湯と女湯の間には番台があり、脱衣所にはビンの牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳の自動販売機もあって、まさにお風呂屋の王道を行っているなって感じがします。脱衣所で服を脱いでいるうちにホワ〜ンと硫黄の臭いが漂ってきました。浴室はオーソドックスなタイル張りで、洗い場とあがり湯と浴槽があります。湯舟は「B」のような形をしていて、奥の角に湯口がありました。お湯はほんの少し黄色がかった感じに見えますが、湯舟のタイルが水色なので透き通った綺麗なグリーンに見えます。透明度があるのにこんなに色がついているなんて何かとても不思議な感じがします。注がれているお湯はまあまあ熱い程度の湯で、ほんのりと硫黄の香りがします。ちょっと飲んでみるとまったく癖のない、とても滑らかな湯でした。露天風呂とかはなく、内湯のみなので熱気がものすごくて、一度汗をかきはじめたら止まらなくなってしまいました。湯上がり後も暫くそんな状態が続いていたので、温泉による温熱効果は抜群なのかもしれないですね。平日の昼間だというのに次から次へと客がやってきていて、繁盛しているようでした。すばらしいお湯なので人気があるのは当然ですが、さらに地元の人なら料金が20円という破格の安さも魅力のひとつでしょう。完全地域密着型の温泉ということで、とても感心させられました。うちの近所にもこういうところがあったら毎日入れるのになぁなんて余計なことを考えさせてくれる羨ましい温泉です。
掲載: 2000/08/25
Data
- 所在地:長野県更級郡上山田町
- 訪問 :2000年7月
- 泉質 :単純硫黄泉 源泉46.4度
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛・リウマチ・肩こり・腰痛など
- 露天風呂:なし
- 鄙び度:☆☆☆
- 地元度:☆☆☆☆
- 評価 :☆☆☆
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