岩手県
あみはりおんせん・せんにょのゆ
網張温泉・仙女の湯
岩手山麓に湧く、硫黄プンプンの混浴野天風呂
岩手山南西麓の標高750メートルにある網張温泉は休暇村岩手にある湯治客やスキー客に人気の温泉です。歴史的にもとても古いとのことで、和銅年間(708〜715年)から涌き出ているといわれているそうです。実に1300年も前から大事にされてきた神聖な温泉なのです。休暇村に辿り着くとそこは視界が開けていて、眺めがものすごくよく、暫くボーッと眺めてしまうほど壮大な景色が楽しめます。眺めが素晴らしい分、風が強い日も多いとのことなのですが、幸いこのときは平穏でのんびりとした穏やかな天候でした。目的の野天風呂に行くには、休暇村の宿舎の裏手から5分とぼ山道を登っていく必要があります。その入り口には清掃維持費という名目で寸志の料金箱がありました。すぐ近くなのでサンダルでも行けないことはないでしょうけれど、近場のわりにアップ・ダウンもあってけっこうな山道なので、登山靴とまではいかなくても手軽な運動靴が無難でしょう。登り始めて暫くすると、また硫黄の臭いがしてきて野天風呂が見えてきます。昔は混浴の湯舟しか無かったらしいですが、このときは簾で仕切られた女性専用の湯舟もありました。混浴用、女性専用とそれぞれ湯舟は一つずつあって、どちらも6〜7人入れるぐらいの大きさのようです。湯舟のすぐ目の前には「亀滝」という小さいけど存在感がたっぷりの風流な滝があって、その流れは沢となっています。湯舟はその沢沿いにあるので、まさにワイルドなロケーションそのものです。湯舟は簡単にコンクリートで固められただけの素朴な造りで、脱衣所こそあるけど、林に囲まれた野趣あふれる超ワイルドな野天風呂です。マイナスイオンに囲まれて、大自然を味わっているって感じがとても気持ちいいです。お湯は山から引かれたパイプから出ているのですが、ボコボコと音をたてて湯量が減ったり増えたりして流れていました。温度はけっこう熱くて長くは触っていられない程の高温です。湯舟の温度もけっこう熱いのですが、わりとさらっとした熱さだったので、始めは熱く感じるけど慣れてくると気持ちよくなってきます。後からきた客が「今日は熱いなぁ」と言っていたので、日によっては温度が違うのかもしれません。お湯はほんの少し白みがかった感じでほとんど透明でしたが、湯舟には黄色い湯ノ花がびっしりと付着していたので、成分的にはけっこう濃いのでしょう。源泉は2キロほど上の元湯からの引湯しているとのことですが、なかなかいい温泉です。真夏のお盆の頃だったこともあり、夏場の天敵「アブ」の襲撃にあってしまって、あまり落ち着いては入ることができませんでしたが、秋の紅葉、冬の雪見、初夏の新緑とオールシーズン楽しめそうなロケーションなので、是非またトライしたいと思うのでした。
掲載: 2000/09/15
Data
- 所在地:岩手県岩手郡雫石町長山網張
- 訪問 :2000年8月
- 泉質 :単純硫黄泉 源泉82度
- 形態 :野天風呂 混浴・女性専用
- 効能 :高血圧・動脈硬化・神経痛・胃腸病など
- 脱衣所:あり(女性専用あり)
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 評価 :☆☆☆☆☆
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