岩手県
まつかわおんせん・しょうふうそう
松川温泉・松楓荘
ダイナミックな岩風呂と乳白色の温泉が自慢の秘湯の温泉宿
標高800メートルに広がる原生林。松川沿いを上流に進むと本当にこの先に温泉なんかあるのだろうかなんて心配してしまいそうなほど静かな山間になってきます。道路は綺麗で快適なので気持ちよくドライブしてのぼっていくと、日本で初めて運転された地熱発電所で有名な松川温泉にたどり着きます。有名とはいっても本当に静かな山間の中なので煌びやかというものはなく、地熱発電所のほかにはひっそりと3軒の旅館がある落ち着いたところです。それらの旅館は各々自慢の露天風呂をもっているそうで、秘湯ムードを味わいながら過ごすことができそうな感じでした。その中でも松楓荘の風呂は素朴でありながらもダイナミックという評判なので、興味が湧いて足を運んでみました。ここは岩風呂、内風呂、露天風呂の3つがあります。内風呂は男女別になっていて、大きな岩が目の前にあって妙に圧迫感のあるところです。大きな岩があるというか壁なのかわからないダイナミックさは一見の価値ありです。そんなに広くもない浴室が余計に狭く感じますが、味があるいい風呂でした。そして目の前の松川を吊り橋で渡った先にあるのが岩風呂です。ここは半洞窟状になっていて、先ほどとはまた違った閉塞感のある不思議な雰囲気を味わうことができました。半洞窟状というのは、洞窟のように天井を完全に覆っているのではなく、荒々しい崖が迫っているので、とても圧迫感があるのです。雰囲気はものすごくいいのですが、何が出てきてもおかしくない神秘的な雰囲気を感じました。ただここは混浴になっていて、湯舟の目の前が脱衣所になっているので、先客がいると女性は少し入りづらいかもしれません。いい感じの湯舟なので、女性の方は着替えやすい格好で臨むのがいいでしょう。お湯は硫黄の臭いがプンプンの乳白色の湯で、底が見えませんでしたが入ってみると意外と深くて腰下ぐらいまでありました。そこそこ広いので10人以上は入れるかなぁぐらいの広さです。温泉の湧き口ではドバドバと新鮮な湯が湧いているけれどものすごく温度が熱いため、半分捨てている状態となっていました。温度調節のためなのか、湯の注ぎ口が工夫されていて、面白い構造をしていました。続いて、脱衣所こそ男女別になっているものの、混浴となっているのが露天風呂です。ここのお湯はさらに綺麗な木目細かい乳白色で、透明度は15センチくらいです。入り口が別であることと、濃厚な湯なので女性でも比較的抵抗なく入れそうな感じです。目の前を流れる松川と渓谷、そして自然豊かな山と空がいっぺんに味わえる素晴らしいロケーションの露天風呂で、木で囲った枠もいい味を出していました。もともとの湯温が高いので、川の水なのか涌き水なのかホースで加水しているようです。うまく適温のところを探して入ると長湯もできてゆっくりと楽しめるのではないでしょうか。人気があるのがうなずけるいい温泉でした。
掲載: 2000/09/29
Data
- 所在地:岩手県岩手郡松尾村寄木
- 訪問 :2000年8月
- 泉質 :単純硫化水素泉 源泉86度
- 形態 :温泉宿 混浴・男女別
- 効能 :神経痛・リウマチ・糖尿病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 評価 :☆☆☆☆
温泉レポートを検索