長崎県
おばまおんせん・わきはまおんせんきょうどうよくじょう
小浜温泉・脇浜温泉共同浴場
タイムスリップしたような鄙びた情緒漂う素朴な共同湯
小浜温泉は西九州指折りの温泉地で、1日の湧湯量は15000トンというから半端なもんじゃないところです。370年以上もの歴史ある温泉地ということもあって、老舗の旅館などもある温泉街があります。そんな小浜温泉にある共同浴場のひとつがこの脇浜共同浴場。入口は一見ただのボロ民家か?と思わせるような鄙びた造りです。男女別の入口を入ると、突然タイムスリップしたかの錯覚を感じさせるノスタルジックな世界が広がっていました。番台にしてはかなり広いなぁと感じさせる席にはおばあさんがテレビを見ながらちょこんと座っています。入浴料を払って脱衣所にあがりました。脱衣所は番台がけっこう広いので男も女も相手側から丸見えなのは豪快です。ロッカーもいまどき珍しい感じの木造ロッカーで、ツヤが出ていたり削れていたりと、かなり年季がはいっているのが素晴らしいです。浴室への入口の上には、これまた年代物の温泉分析表と効能書きが掲げてありました。素朴というかシンプルな浴室も時代を感じさせる何ともいいがたい雰囲気が漂っていました。湯舟は中央にど〜んとあって手前と奥の2つに区切られていました。熱い湯と水が同時に注がれていて片方はめちゃくちゃ熱く、もう片方は適温って感じです。無色透明の湯なので湯舟のタイルの色がとても鮮やかに見えます。手前側はグリーンのタイルで奥はブルーのタイルでした。深さはわりとある方で、股下ぐらいまでありました。さらさらとした湯は香りに特徴は見られないながらも、とてもなめらかな感じのしょっぱさを感じる湯で、飲用の効果もあるらしく湯の注ぎ口にはコップが用意してありました。ほんとうに口当たりがよくなめらかなおいしい湯だったので、ついつい沢山飲んでしまいました。あふれ出る湯をからだ全体で楽しみながら至福の時を味わいました。窓から射し込んでくる昼下がりの日差しも心地よい演出をしているようです。いつまでもこの雰囲気を保ち続けて欲しいと願う、お気に入りの湯です。
掲載: 2000/12/25
Data
- 所在地:長崎県南高来郡小浜町南本町
- 入浴 :2000年10月
- 泉質 :食塩泉
- 泉温 :源泉90度
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :呼吸器疾患、肋膜癒着、腺病など
- 露天風呂:なし
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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