新潟県
あかゆおんせん・やまぐちかん
赤湯温泉・山口館
最低でも2時間は歩かないと辿り着けない登山者向けの極上露天風呂
赤湯温泉は苗場山東南中腹に位置する清津川上流の山奥の温泉で、一件宿の山口館が管理するとても野趣あふれる野天風呂が登山客に人気があります。人気があるとはいってもかなりの山奥なので、ちょっとひと風呂浴びに行くというわけにはいきません。登山コースの途中にあるので、利用客のほとんどは登山客のようです。でも、そんなに素晴らしい温泉なら是非とも入りたい。というわけでわざわざこの温泉のためだけに山登りをしてきました。といってもある程度まではクルマで行くことができます。苗場スキー場の入口あたりからダートの林道に入り、ずいぶんと奥の方まで行きます。登山のゲート付近までクルマで行けるのですが、それまでの道のりも決して楽ではないので慎重に運転して行くことになります。運転に自信のない人は厳しいかもしれません。ゲート付近には数台の駐車スペースがあるので、そこにクルマを置いていざ出陣となります。ここからは約2時間の山歩きとなるようです。気合を入れて先に進みましょう。でも始めのうちは平らな楽な道が続きます。なんだこんなものなら楽勝だなぁなんて侮っていると、段々と山らしい景色に変わってきます。たまには運動と森林浴を兼ねて、また自然の景色を愛でながらのんびりと行きましょう。でも、途中には人とすれ違うのでさえも大変なところや、心臓バクバクものの崖とかあるので、それ相当の覚悟が必要です。また、山の天気は変わりやすいので、それなりの装備と格好をしていないといけません。もう汗だくになって、そろそろ飲料水も残りわずかというところで、小さな沢に到着しました。ここから赤湯温泉はもう目の前です。沢に架かる橋を渡ると幾つかの露天風呂があって、その奥に山口館が見えてきました。山口館で入浴料を払い荷物を置いてさっそく露天風呂へと向かいます。この宿には内湯はなくすべて露天風呂になるそうです。宿からはサンダルに履き替えて行くシステムのようで、散歩気分で湯巡り開始です。湯舟は上流から玉子湯、薬師湯、女性専用の青湯がありました。それぞれの露天風呂には脱衣所がないので、岩の上に干すような形で脱いでおいたり、あらかじめ用意したビニール袋に入れたりと、みんな工夫しているようでした。干しておくと汗を乾かすのには丁度いいかもしれません。薬師湯はコンクリートと屋根に囲まれた狭苦しい感じの湯舟です。せっかくの大自然の中なのに景色があまり見えないのがちょっと不満ですかね。でもそれもそのはず、ここは明治時代には建物があって内湯として利用されていたのだそうです。四角い湯舟は狭くてわりと浅いようでした。薄いウグイス色をしたお湯で温度はちょうどよいくらいでした。玉子の湯は巨石に囲まれた、大きい湯舟です。すぐ脇を沢が流れて、とても開放的な雰囲気がありました。川が増水したりすると温泉の温度が低くなったりと、環境の変化によって温度に変化が生じるのだそうです。でもちょうどいい感じ、いやちょっと熱いくらいだったですかね。体が茹ってきたところで、そのまま沢に入って体を冷ますこともできます。これがまた冷たくて気持ちいいんです。体が冷えてくるとまた湯舟に浸かってじんわりと温まります。このサイクルがとても心地よくて、すっかり気に入りました。今回は日帰りでの入浴だったので、暗くならないうちに帰ることにしますが、夜間は満天の星空を眺めながらの入浴が楽しめるのではないでしょうか。それもまた贅沢でロマンチックなことでしょう。さて、そろそろ帰る支度をはじめましょうか、でも帰りもまた2時間も歩くのかと思うと億劫になりますね。でも、往復4時間かけてでも行きたくなる最高の温泉でした。
掲載: 2000/08/10
Data
- 所在地:新潟県南魚沼郡湯沢町三国
- 訪問 :2000年7月
- 泉質 :塩化物泉 源泉60度
- 形態 :野天風呂 混浴・女性専用
- 効能 :胃腸病・神経痛・リウマチ・打ち身など
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 疲労度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆☆
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