鹿児島県
うなぎおんせん・くえいうなぎおんせん
鰻温泉・区営鰻温泉
鰻池の畔に湧く、素朴で歴史ある温泉地
指宿の市街地から南西へ4キロほどいったところにある鰻池。もともと噴火口の跡だったという鰻池は海抜が120メートル、水深61メートル、周囲約4キロの小さな湖ですが、なんともいえない神秘的な雰囲気が漂う静かなところです。名前にもある通り、昔はたくさんの大ウナギが生息していたとのことらしいけど、最近ではその数もかなり減少してしまったとのこと。その鰻池のほとりにあるのがこの鰻温泉。西暦1750年ごろから温泉として利用されてきたという歴史ある温泉なんです。また明治時代には西郷隆盛の逗留の地として歴史に刻み込まれているんだとか。そんな由緒正しい歴史の鰻温泉なんですが、特別に華やいだ雰囲気があるわけでもなく、とても素朴で静かな温泉地です。その一角にこの区営鰻温泉があります。ちょっと見た感じは地方の公民館的な雰囲気があって温泉浴場っぽく見えない共同浴場。建物の端の外側に面した受付にはきさくなおばさんがいて楽しそうな雰囲気。料金を払うと「サービス、サービス、使ったら後で返しておいてね」と石鹸が渡された。平屋だけど造りは綺麗で比較的まだ新しいのかな? 男女別の入口から中に入ると見かけによらず脱衣所は広かった。鍵付きのロッカーと棚があるだけでとってもシンプル。壁には大きな温泉分析表がありました。浴室は脱衣所のわりにはそんなに広くはなかった。茶褐色のタイル張りで湯舟は楕円形、4〜5人程度入れる広さがあり、壁などまわりはタイルなのに天井はわりと立派な木造でした。シンプルなようでいて、どことなく雰囲気をより盛り上げてくれる感じがしました。面白いと感じたのが、洗い場のところに「水道水≠冷たい?」とプレートに書かれているところ。たしかに壁の一部がめちゃくちゃ熱かったり、床の温度が違っていたりして地熱が伝わってくるのがわかる気がする。それにこの鰻の地区一帯のあちらこちらから湯けむりがあがっていて自然の偉大さを感じられた。お湯は無色透明でほんのりと硫黄臭がするようなしないような微妙な感じ。特徴的な味は特に感じなかった。源泉はけっこう熱いのに湯舟は43度とまあまあ適温でゆっくりと浸かることができました。しかし、けっこう芯から温まる湯なので、湯上がり後いつまで経っても汗がひかなかった。隣の女湯からはおばちゃん達の賑やかな会話が聞こえてきて、地元の人達に愛されているなぁと感じさせる素晴らしい共同湯でした。
掲載: 2001/02/25
Data
- 所在地:鹿児島県揖宿郡山川町成川
- 入浴 :2000年10月
- 泉質 :硫黄泉(低張性、中性、高温泉)
- 泉温 :源泉88.8度 湯舟43度
- PH :6.4
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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