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熊本県

じごくおんせん・せいふうそう

地獄温泉・清風荘

混浴の風情ある泥湯が人気の秘境温泉
阿蘇五岳の中の烏帽子岳の南麓、標高750メートルに位置する山麓秘境温泉というのがこの地獄温泉。訪れる客の8割が湯治客といわれるほど、様々な効能に恵まれた温泉が自慢の宿です。山の中にあるのでとっても静かな純和風の旅館でした。宿舎の他に自炊湯治の建物が並んでいるのでかなり大きな宿という印象を受けました。まずは玄関の受付で入湯札を購入します。この券で清風荘にあるいくつもの湯舟をすべてまわることができます。まずは玄関よりまっすぐ向かった元湯へ。こちらは男女別の内湯です。貴重品などを預けておくロッカーがあるので、まずはこちらに預けてから湯舟をまわることにします。浴室に入ると少し薄暗く古めかしい感じがありました。かかり湯を浴びて湯舟に入ると、これがまたけっこう熱いです。奥には打たせ湯もあったけど、これもかなり熱いので、ちょっと浴びるのはやめとこうかなって感じで断念しました。透明度は20〜30センチほどの白濁した湯で、肌にしっとりくる感じがします。味覚はすっぱくて柑橘系の味?というよりレモン!って感じでしょうか。元湯という名前だけあって年季も感じられるいい雰囲気でした。続いて向かったのは、玄関の下の方にある「すずめの湯」。こちらは男女別の内風呂と混浴の半露天風呂の泥湯があります。しかしその日によって違うのか、それとも枯れてしまったのかはわかりませんが、白濁とした湯だけで、泥などは少しも入っていませんでした。でもその泥湯の底からはあちらこちらからプクプクと泡が出ており、熱いところやぬるいところなどあって面白いです。茅葺の素朴な屋根も風情があってなかなかいいと思いました。さらには建物の軒下に垂らされたオレンジ色のトウモロコシには、インパクトをとても強く受けました。なんでも阿蘇の秋の風物詩だということで、この時期にしか見ることはできないそうです。内湯の方は木の香りが漂う木造小屋で、四角い湯舟にはこれも白濁した湯が入っていました。脇からは熱めの湯が注がれていて舐めてみるとやっぱりすっぱく、硫黄ともちょっと違うような独特の臭いがありました。続いて元湯の脇から上がったところにある露天岩風呂に行きました。女性側は男性用の風呂の上部にあり、男性を見下ろす感じになっているので、「仇討ちの湯」と呼ばれているとのことです。ここも白濁した湯になっています。湯底にはきめ細かい砂がうっすらとたまっていて、仲に入るとフワッと舞い上がりました。いい湯加減で何ともすがすがしい感じがたまりません。しかし壁から熱い湯が流れ込んでいるので、うっかり近づくと「あちっ」てなってしまうので注意が必要です。この湯は無色透明で55度の温度がありました。ここもまたすっぱい湯でした。最後に廻ったのはゲートボール場を越えて一番奥まったところにある露天風呂の新湯です。こちらは名前の通り比較的新しい感じがしました。小ぢんまりとした造りだけれど、しつかりとした趣のある湯舟です。ここは近くのトレーラーハウス村に宿泊している人たちの利用も多いようです。ここの湯は他の湯よりもすっぱい感じが強く感じられ、湯の色やにおいは逆に薄い気がしました。そんなこんなで、全部をまわるには急いでも数時間はかかります。でもここは一日かけて贅沢にまわる、もしくは数日間泊り込んでの逗留で、気長に過ごすのがお勧めです。地獄温泉という名前ですが、入り心地は天国になってしまう、そんな温泉でした。
掲載: 2001/06/17
Data
  1. 所在地:熊本県阿蘇郡長陽村河陽
  2. 入浴 :2000年10月
  3. 泉質 :酸性硫化水素泉
  4. 泉温 :すずめの湯 源泉93.2度
  5. PH :1.74
  6. 形態 :温泉旅館 男女別 混浴(すずめの湯)
  7. 効能 :手術後早期回復・事故等後遺症・リウマチなど
  8. 露天風呂:あり
  9. 脱衣所:あり(女性用あり)
  10. 開放度:☆☆☆☆
  11. 鄙び度:☆☆
  12. 素朴度:☆☆☆☆
  13. 総合評価:☆☆☆☆