熊本県
くろかわおんせん・のしゆ
黒川温泉・のし湯
林の中の隠れ湯のようなお忍びムード満点
「お宿のし湯」は純和風のいでたちで、隠れ宿的な雰囲気が出ているとても趣のある温泉宿です。萱葺きの屋根がついた風流な門をくぐり右手に進むと入浴の受付があります。黒川温泉名物の温泉手形を見せて受付を済ませます。受付から奥に進んで行くと道が分かれて左手から順に女性露天風呂、男性露天風呂、家族風呂となっていました。男性用露天風呂の脱衣所は、和風木造の落ち着いた雰囲気です。洗面所にはドライヤーも備え付けてあるけど、コインロッカーと棚がいくつかあるだけで、全体的にはとってもシンプルです。露天風呂へはそこから一段降りたところにあり、手前側には屋根つきの洗い場がありましたが、こちらはとても狭いです。「かけ湯、あがり湯」と書かれた大きな石桶が置いてあり、竹筒から湯が注がれています。露天風呂は林に囲まれた隠れ湯的なイメージです。ホントに周囲は木しか見えないので、広大な雑木林の中にポツンとある湯という錯覚さえも感じられました。湯舟全体は岩で囲まれた7〜8メートル四方ほどの広さで、大きな岩が湯舟の中にど〜んと置かれていました。場所がらっていうか、季節がらというか、落ち葉が沢山湯舟の底に沈んでいましたが、これがまたちっとも汚いとか感じることもなく、まさに自然の中の野湯的な雰囲気が味わえるのです。湯舟の端の方には竹筒から湯が注がれていましたが、これがとても熱いので注意が必要です。よくよく見てみたら「熱い!ご用心ください」って書いてありまた。丸太をそのまま柱にした豪快なようでいて落ち着いている屋根つきの打たせ湯もあります。こちらの方は、熱〜い湯ではないので大丈夫です。ドバドバといい音をたてて落ちる打たせ湯は、落差が2メートルほどあります。落差に加え湯量も多いので、いいパンチがあります。首や肩や腰に当てるとマッサージされているみたいでとても気持ちよかったです。湯は無色透明で無臭。味が少々苦いというか、わずかに泥っぽさを感じました。まわりの岩や湯の注ぎ口にはオレンジというか、赤茶けた鉄分のような付着物がありました。打たせ湯の豪快な水しぶきの音にまぎれてたまに聞こえる小鳥のさえずりが優雅なときを演出してくれました。
掲載: 2001/07/13
Data
- 所在地:熊本県阿蘇郡南小国町
- 入浴 :2000年10月
- 泉質 :ナトリウム塩化物・硫酸塩泉
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 野趣度:☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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