大分県
やばけいおんせん・いとゆ
耶馬溪温泉・岩戸湯
田園と奇岩を眺められる黄金の温泉
大分を代表する景勝地、一目八景からクルマでも数分ほどの場所にある日帰り温泉浴場がこの岩戸湯です。ポツンとある小さな浴場なので、ついつい見落としてしまいそうな感じです。実際、注意しながら探していた私もうっかりと通り過ぎてしまったほどです。わりと小ぢんまりとしていて、小さな喫茶店のようにも見えます。入り口を入るとすぐに受付があります。入り口の脇の狭い階段をおりていくと手前側が男湯、奥に女湯の扉がありました。階段の途中には温泉分析書が掲げてあります。扉を入ると家庭の脱衣所を少し広くしたような雰囲気があり、棚と扇風機だけがシンプルに置いてありました。ガラス戸の奥は浴室になっています。浴室は黒いタイルというか床が印象的で、木目の壁とマッチして落ち着いた感じを持たせています。全体的にはあまり飾ることもなく、いたってシンプルな仕様で、5〜6名ほど入れる広さの湯舟がありました。湯舟の脇の湯口からはボコッボコッと豪快な音をたてて湯が湧き出ていて、それを見るだけでも感動してしまいます。分析書には自噴とあったので、源泉から直ということですかねぇ。そのすぐ上の細い管からは、加熱しているのでしょうか、少し熱めの湯がジャーッと出たりトロトロと出たり不定期に注がれていました。湯は暗い感じの金色なんだけど、非常に透明感もあって厳粛な感じの綺麗な色なんです。透き通ってはいるものの茶色い浮遊物もわりと多いです。木を腐らせたような、それとも違うような独特な臭いがしますが、ぜんぜん嫌なにおいではなく優しい柔らかい臭いなので、とても落ち着く感じがします。味はほとんど感じませんでした。源泉の温度は40度ということで湯舟はちょうどいい感じの温度でした。肌にしっとりとする湯で体を伸ばしてリラックスすると何とも幸せな気分になってきます。湯舟の底は木の板がひいてあって、これもやさしい柔らかい感じがします。温泉の成分のせいなのでしょうか、洗い場の床はヌルヌルとすべりやすいので注意が必要です。浴室の大きな窓からは田園風景と奇岩の山をながめられて、なかなかいい景色が楽しめるので立地条件も文句なしです。体をしずめていると、ボコッボコッという大きな振動がいい衝撃をうけます。ちょうど花火を見物にいったときの、胸のあたりにドーンと響く感覚に似ているような気がして、心地よいです。見落としやすい場所だけに穴場的存在で重宝したいところです。
掲載: 2001/10/17
Data
- 所在地:大分県下毛郡耶馬溪町深耶馬
- 入浴 :2000年10月
- 泉質 :単純温泉(弱アルカリ性低張性温泉)
- 泉温 :源泉40度
- 湧出量:毎分18リットル
- PH :7.7
- 形態 :温泉浴場 男女別
- 効能 :神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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