大分県
ゆのひらおんせん・なかのゆ
湯平温泉・中の湯
石畳が続く情緒ある温泉街の地味な共同浴場
白毛の傷ついた老猿が湯浴みしているのを見た杣人(木こりのこと)が浴場を作って広めたという伝説が残るのが湯平温泉です。この温泉街には石畳の細い坂道が通っていて、鄙びた雰囲気が残るとても静かな佇まいです。町そのものは小さいようだけれども、共同浴場は5つもあったり、旅館や土産物屋が密集して並んでいます。「町営中の湯温泉」は坂道の中ごろにある共同浴場です。二階建ての素朴な建物で、正面には「湯平観光・遊歩コース」と書かれた大きな案内マップがありました。地元以外の一般の方が利用するには入り口の前の賽銭箱にお金を入れれば、入浴可能です。賽銭箱のところには2体のお坊さんのような人形が奉られていて花が供えられていました。コンクリートブロックの上に置かれた木箱に飾り気もなく奉られているのが、なんとも素朴なローカル感があり、旅情をかきたててくれていました。脱衣所は非常に狭いところで、同時に二人が着替えるのがやっとぐらいです。浴室内も小ぢんまりとしていて、小さなタイルが敷き詰められた床や壁、湯舟があり、古びた銭湯といった感じでローカルムード満点です。わりと狭いわりには窓からの明かりで、それほど暗い感じはありませんでしたが、けっこう蒸し蒸しとしています。浴室の中央にある湯舟は四角で、大人の人が四人ほどゆったりできる広さがあります。無色透明、無味無臭の湯で、さっぱりとした熱さが感じられました。湯舟へは奥の壁側から石とコンクリートで固められたスベリ台のような面白い形の湯の道があり、湯舟にトロトロと注がれています。注がれている対角側には湯の排出口がありました。全体的に飾り気もなく、素朴で鄙びているので、他の共同湯に比べ特長が少ないようですが、その分心安らげる雰囲気がありよかったです。
掲載: 2002/01/11
Data
- 所在地:大分県大分郡湯布院町湯平
- 入浴 :2000年11月
- 泉質 :弱食塩泉
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 露天風呂:なし
- 清潔度:☆
- 気軽度:☆☆☆
- 下町度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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