大分県
ゆのひらおんせん・ちゅうおうおんせん
湯平温泉・中央温泉
仏様に見守られた、エナメル色の渋い温泉
湯平温泉は大分県の湯布院町にある古い温泉街です。同じ町内の由布院温泉は全国的に有名ですが、こちらは打って変わって静かな温泉街です。温泉街は花合野川沿いに旅館やら土産物屋がたちならんでいて、由布院温泉に比べて静かとはいえども、約30件の旅館があるそうです。温泉街の名物はなんといっても300年の歴史を持つといわれている500メートルも続く石畳の急な坂道です。とても狭く急な坂道なのですが、これがまた風情があってなかなかいいんです。何でも渥美清主演の映画「男はつらいよ」のロケも行われたこともあるんだとか。そんな湯平温泉にはいくつかの共同浴場があります。その中でも花合野川にかかる砂湯橋(この橋もなかなかクール!)を渡ったところにある中央温泉は、鄙び具合も良好(?)でとても気に入りました。入り口の前には丁寧に奉られた仏様が居ます。地元の方、及び宿泊者以外の利用者はお賽銭を管理料の代わりとして納めます。ブロックで組まれた浴舎は右側が女湯、左側が男湯になっていました。ドアをあけ中に入るとすぐに湯舟があります。そしてその目の前に下駄箱と脱衣棚、すのこがあるだけで、浴室と脱衣場の仕切りのようなものはなく、とってもシンプルなものです。タイル張りの浴槽は5〜6名ほど入れる小さなもので、エナメル色の湯が入っていました。透明度はせいぜい50センチくらいでしょうか。入り口の分析表によると源泉温度は53.5度ということで、注がれている湯はそれなりに熱かったのですが、湯舟の湯はけっこうぬるいようです。たまたまそのときがぬるかったのか、いつもそうなかはわかりませんが、先客のおじさんは「ぬるくてダメだよ」といって帰っていきました。とはいうものの、長湯するにはいい感じで、しばらくすると汗が出てきました。温泉の効果ってのはすごいですね。ここの温泉は飲んでも効果があるようでちょこっと飲んでみましたが、少し苦いようです。しかし美味しいとまではいかなくても、飲みやすい感じの湯です。しっとりとした湯に浸かっていると、すぐ隣を流れる川の水音が聞こえてきます。景色は楽しめないものの、ゆっくりとした時間を楽しむことができました。
掲載: 2002/01/21
Data
- 所在地:大分県大分郡湯布院町湯平
- 入浴 :2000年11月
- 泉質 :弱食塩泉(緩和性低張高温泉)
- 泉温 :源泉53.5度
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :(浴用)リウマチ性疾患・運動器障害・神経マヒ病後及び疲労回復など
(飲用)慢性胃腸病・慢性及び十二指腸かいようなど - 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 下町度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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