島根県
きべだにおんせん・まつのゆ
木部谷温泉・松乃湯
鍾乳石のような床や湯舟と濃厚な炭酸泉
炭酸ガスによる間歇泉で有名な木部谷温泉は、25分間隔で高さ2メートル近くも吹き上がるという豪快な間歇泉です。昭和63年に多くの方々からの要望もあり、この「松乃湯」が誕生したということで、非常に人気のある温泉施設です。入浴のみもできますが、休憩室もあり、食事処もあり、宿泊もできるので、ゆっくりと湯治したい方にもオススメの温泉です。人気があるとはいっても、けっこうな山間部に位置しているので非常に素朴な温泉宿という雰囲気がありました。脱衣所も小さくて、簡単なロッカーがあるだけの質素なものです。浴室もそれほど広くはなく、5〜6名ほど入れる大きさの湯舟が赤茶色にそまっているのが目に付きます。床や湯舟のヘリには堆積した付着物が鍾乳石のような模様や小さな千枚皿ができていてとても強烈なインパクトがあります。湯舟の壁側には「泉水」と書かれたバルブと「蒸気」と書かれたバルブの2つがあります。湯舟の湯が熱いときは新しい泉水を注入して温度を下げ、逆にぬるい場合は蒸気のでるバルブを開けて加熱するという方式で、元の泉質を損なうことなく入浴者が自由に温度を調節することができるというのが大変気に入りました。注がれる泉水は無色透明の水なんだけど加熱して空気に触れるとどんどん赤くなってきます。湯舟の湯は透明度が5センチぐらいかな?10センチはありませんでした。手ですくうと気泡がいっぱい手につきます。飲んでみるとシュワッと口の中ではじけて鉄っぽい味がします。まさに鉄サイダーって感じです。一方、蒸気のバルブは開くとゴボゴボと音をたてながら細かい泡が湯舟の中へ延びたパイプの先から沢山出てきます。するとすぐにジワッと湯が熱くなってきます。床に広がった千枚皿はよくよく見ると、うっすらと緑色にそまっています。壁にある説明書きによるとクロレラの一種で松乃湯の自慢のひとつとのことです。また湯はカルシウムを多く含んでいるとかで、長時間湯面を静かにしておくと、湯面一面が白色に変化すると書いてありましたが、それは未確認です。あがる頃には白かったタオルが赤茶色に変色しているのも、また鉄分を含む温泉の特徴ですね。なかなか感動できました。
掲載: 2002/03/01
Data
- 所在地:島根県鹿足郡柿木村木部谷
- 入浴 :2000年11月
- 泉質 :含二酸化炭素−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉
- 泉温 :源泉20.7度
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・うちみなど
- 露天風呂:なし
- 清潔度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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