島根県
ゆのつおんせん・ゆのつもとゆ
温泉津温泉・ゆのつ元湯
濃厚な湯により芸術的な作品に仕上がった湯舟は必見
温泉津元湯温泉は、年代こそはっきりしていないものの1400年ほど昔にはすでに名湯として知られていたという歴史ある温泉です。その驚きもさることながらレトロさ満点の風格が醸し出している素晴らしい共同浴場です。入口で入湯料を払って中に入ると古ぼけかけた脱衣所があり、どこか妙に落ち着いた雰囲気がありました。壁には昭和33年の温泉分析表もあります。脱衣棚に着替えをおいて浴室へ行く扉を開けるとすぐに階段があります。浴室そのものが少し低くなった感じですね。そして目の前には思わず声が出てしまいそうなほど情緒たっぷりの湯舟があります。浴槽は3つに区切られていて熱い湯、ぬるい湯、座り湯とありました。熱い湯は2人も入ればいっぱいぐらいの小さいものだけど、ホント熱くて1分も入っていられませんでした。温度計がついているのですが、それを見てみると48度となっています。体感的にはもっと熱いようにも感じました。湯舟の脇の方からは無色透明の湯が注がれていて飲泉のコップも置いてあります。飲用すると糖尿病、胃腸病、胸焼けなどに効果があるとのことです。さっそく飲んでみるとしょっぱいんだけど、何かダシでも入っているような妙な味がします。舌の先がちょっと刺激をうけるような感覚です。あつい湯の湯舟は少し濁っていました。そして中央がぬるい湯で3人も入ればいっぱいってところです。ぬるいといっても温度計は44度をさしています。熱い湯よりちょっと赤茶色っぽく濁っていました。そして座り湯は座ると湯面が腰ぐらいまでという浅い湯で、比較的ゆっくりと入ることができます。湯は湯舟からこぼれるように溢れているけど、すごいのは湯舟のへりが堆積物で形が変形しているというところです。湯のこぼれているところも、ほんとすごい積もりようで鍾乳石のような滑らかな形になっています。床もまた湯の流れた跡がユニークな模様を作っていて、何か絵画的な要素があるので見ていても飽きがこない感じです。またぬるい湯の前の壁には小さな仏様が奉ってあり湯を守っているのだけれども、この仏様もかなり風化してきてしまっていて、それがまたなんともいえない情緒を出していました。純粋に感動できる名湯だと感じました。
掲載: 2002/03/12
Data
- 所在地:島根県邇摩郡温泉津町
- 入浴 :2000年11月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
- 泉温 :源泉49.2度
- 湧出量:毎分28.8リットル
- PH :7.2
- 蒸発残留物:71896mg/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :(浴用)神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩など
(飲用)糖尿病、胃腸病、胸焼け、便秘など
(吸入)慢性気管支カタル、咽喉カタルなど - 露天風呂:なし
- 清潔度:☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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