島根県
いけだらじうむこうせん・ほうせんかく
池田ラジウム鉱泉・放泉閣
湯面に膜を張るほど濃厚な温泉
大正の頃から温泉宿として営んでいる池田ラジウム鉱泉は、山の合間にある一軒宿です。ラドンの含有量が全国一位ということでテレビや雑誌などマスコミにもちょくちょく取り上げられているわりにはとてもひっそりとした雰囲気がありました。道路沿いに位置しているのですが大きな看板が掲げられているわけでもなく見た目が民家風なので、一度は通り過ぎてしまいました。案内された浴室はとても狭く、男湯女湯の区別などはありませんでした。脱衣用のカゴが幾つかあるものの、まるで民家のお風呂のようです。洗面台のところには「世界一のラジウム」と書かれていて、また、「浮いているのはカルシウムでアカではありません」というコメントもあります。浴室内には二人でいっぱいでしょうってくらいの四角い浴槽があります。浴室自体もあまり大きくはないのだけれどもガラス窓は大きく、ちょっとした庭園ってほどではないけど緑が見えます。浴槽には先ほど洗面台のコメントにもあったカルシウムが膜となって白く一面に広がっていました。手ですくってみるとざらっとしていて結晶になっているのがわかります。ここは鉱泉なので沸かしているのだけど、コックをひねると冷たい鉱泉がどんどん出てきます。ぬるくなると上のつまみでボイラーのスイッチを入れて温度を調節します。注がれる水は無色透明で、微しょっぱく、炭酸っぽい感覚もありました。ゆっくりと湯舟で浸かっていると体中に気泡がついてきます。鉱水の注ぎ口にはけっこう赤茶色の堆積物がありました。御一緒した老人は「湯は世界一かもしれんが狭いなぁ。やる気ないな」とボヤいていましたが、これだけ好条件に恵まれながらも、ひっそりと素朴さを保たれているのは、珍しいのではないでしょうか。とても気に入りました。外の玄関の前には「山水です。のめます。」と書かれた清水が流れていましたが、飲んでみると少ししょっぱくて酸味があるので、これが源泉でしょうか?
掲載: 2002/03/17
Data
- 所在地:島根県大田市三瓶町池田
- 源泉名:池田ラヂウム鉱泉八号泉
- 入浴 :2000年11月
- 泉質 :含土類食塩泉、放射能泉
- 泉温 :源泉16.0度
- PH :6.0
- 形態 :温泉浴場 混浴(?)
- 効能 :(飲用)リウマチズ、消化器、神経痛、慢性便秘など
(吸入)リウマチ性疾、神経痛、慢性気管支炎など
(浴用)リウマチ、神経痛、高血圧、婦人病など - 露天風呂:なし
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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