岡山県
おくつおんせん・きょうどうよくじょう
奥津温泉・共同浴場
ローカルムード満点!簡素な湯舟の混浴共同湯
奇習「足踏み洗濯」で有名な奥津温泉は美作三湯のひとつで歴史のある温泉です。温泉の湧き出る河原で洗濯をするのですが、この一帯はクマやオオカミが多く見張りながら洗濯をするため立ちながら足で洗濯するという習慣になったとのことです。今でも観光用ですが、定期的に地元の方々による実演が披露されています。その実演場所となっているのが奥津橋の下の河原で、ここには風流な露天風呂とかなり古びた共同浴場があります。共同浴場はコンクリート製の質素な建物ですが、かなり年季が入っているようで壁などボロさが目立ちます。扉を開けると細長い浴室となっていて、手前の壁側に下駄棚と脱衣棚があるだけで男女の隔たりもなく混浴となっています。湯舟は3つあり、一番手前は洗濯用の槽で真ん中が下湯、一番奥が上湯と書いてありました。壁には「入浴心得」があり、それによると入り方はまずは下湯を使って体を洗ってから、上湯に浸かるのが礼儀とのことです。湯舟そのものはコンクリートとタイルによるもので飾り気はないものの手入れがきちんとされているようで、とても綺麗でした。湯は無色透明で少しヌルヌルするような浴感がありました。湯舟に体を沈めていると体中に気泡がついてくるのもまた気持ちがいいものです。臭いや味に特徴のようなものはあまり感じなかったものの、肌に染み込んでいく感覚は「美人湯」と呼ばれるだけあってかなりイケてます。一番奥の湯舟の脇からはモコモコと湯が湧いていて湯舟に注がれていました。手前側の洗濯場の壁には「洗濯心得」なるものも掲げられていて、昼間は近所の方が洗濯場として利用しています。このときも私が入浴している傍らでおばあさんが一生懸命洗濯していました。また観光地化されている場所でもあるので見物人も多く、日中は落ち着いては入っていられない雰囲気でしたが、夜間は逆に地元の方や遠征してきた方など入浴客で賑わっていました。
掲載: 2002/05/11
Data
- 所在地:岡山県苫田郡奥津町
- 入浴 :2000年11月
- 泉質 :弱アルカリ性単純温泉
- 形態 :共同浴場(洗濯場) 混浴
- 効能 :神経痛、痔疾、筋肉痛、関節痛、くじき、打ち身など
- 露天風呂:あり(かなりぬるめ)
- 脱衣所:スペースのみ(目隠し無し)
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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