鳥取県
いわいおんせん・ゆかむりおんせん
岩井温泉・ゆかむり温泉
湯けむりに歌声響く老舗の共同湯
1300年もの歴史があり山陰最古の湯として知られているのが岩井温泉です。大きな温泉街というわけではないので歴史を感じながらも静かでのんびりとした雰囲気が漂っている街並みです。ゆかむり温泉は鉄筋コンクリートの建物で、少し鄙びかけた共同浴場です。入口の券売機で入浴券を購入して番台に渡しますが、番台はものすごく閉鎖的な空間でパチンコの景品交換所のような小さな窓がありました。脱衣所はわりと広いスペースで木のロッカーと鉄のロッカーがあり、大きな入浴心得が掲げてありました。その中で「足先で湯加減を見るようなことは絶対やめましょう」というのがありましたが、なるほどねぇ、他ではあまり見かけないフレーズですが、湯に対して失礼なことであり、他人からみてもあまり行儀は良くないのかも知れませんねぇ、今まであまり気にしていませんでしたが気をつけたいと思います。浴室に入ると鄙びた感じがするものの、広くて味のある雰囲気です。湯舟は2つあり、手前側は円形の深い浴槽でもう一方はブドウの房のようなユニークな形をしています。どちらも10名くらいは入れるでしょうか。湯は無色透明だけれども鉄分のような臭いが少ししています。湯は底の方に口が二つあって水と湯が出ていました。温度は42度とちょうどいい感じで気持ちがいいもんです。浴室は床が赤いタイルで壁は下の方が水色のタイルというオーソドックスです。天井は古ぼけた鉄筋コンクリートで時たま冷たい雫が背中に落ちてきてまさにドリフの歌のような世界でした。湯舟に体を沈めていると体中が気泡だらけになります。これもまた気持ちがよくてついつい長湯してしまいがちです。脱衣所には岩井小学校の学校だよりが置いてあったりもしてなかなか地元色が感じられていいもんです。ちなみに岩井温泉はこの共同浴場の名前にも残るとおり、「ゆかむり唄」という手拭いを頭にかぶって唄をうたいながら柄杓で湯をかぶるという奇習があることでも有名ですが、誰もそんなことをしている人はいませんでした。浴室内の壁には「ゆかむり唄」の歌詞と説明がされていましたが、ホント変わった風習だなと思うと同時に、温泉の効能を高めるための古人の知恵だなと感心するのでした。なお、その後リニューアルし新しくなったそうです。(2002年12月)
掲載: 2002/05/20
Data
- 所在地:鳥取県岩美郡岩美町岩井
- 入浴 :2000年11月
- 泉質 :含芒硝石膏泉
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、リュウマチ、婦人病疾患など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 下町度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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