兵庫県
ゆむらおんせん・やくしゆ
湯村温泉・薬師湯
老舗温泉街に佇む素朴な公衆浴場
日本全国に湯村温泉というのはいくつかありますが、中でも有名なのはこの兵庫県にある湯村温泉です。平安時代初期に慈覚大師によって開発されたという長い歴史を持つ、由緒正しい温泉なのです。また、昭和56年(1981)に吉永小百合主演のNHKドラマ「夢千代日記」の舞台になったことでも有名です。長い歴史の中では、一時期過疎化に悩んだ時代もあったとかいう話ですが、「夢千代日記」で一躍全国的に有名になり、今では観光地として人気のある温泉地となっています。温泉街には「荒湯」という熱湯の湧き出る噴泉地があり、たまごや芋などを茹でることができる「湯つぼ」が観光名所になっています。そのすぐ近くにある共同浴場が「薬師湯」です。共同浴場というと素朴で小さな浴場をイメージしがちですが、ここはとても大きな浴場です。地元の方々だけでなく、観光客も気軽に立ち寄れる温泉施設となっていました。館内に入ると浴室の前には広いロビーがありました。ロビーには床の間があったり置物などの飾りがあったりと、まるで和風旅館のような雰囲気が漂っていました。脱衣所に入るとそれとは対称的にシンプルなところです。鍵付きのスチールロッカーが並び、そこそこ広いのでそれなりのキャパはありそうです。浴室はタイル張りで、やはりそれなりに広いです。手前に小さなジャグジー風呂と奥に大きな湯舟がありました。洗い場には湯水のカランとシャワーのみで、ボディソープやリンスインシャンプーなどの石鹸類は常備されていません。各自で持ち込む銭湯スタイルです。湯舟は小さい丸タイルが敷き詰められた、ちょっとノスタルジックなタイプのものです。その大きな湯舟は、円の湯舟に変形した足場がある変わった形をしていました。上から見るとちょうど目玉焼きのような感じでしょうかね？ 湯は４２度に設定してあると張り紙にあるように、とても適温になっていました。湯村温泉というと源泉は熱湯です。湯舟の温度が気になっていましたが、適温でなにより、温度調節も大変そうですね。湯は無色透明無味無臭ですが、すごくサラサラとしていてきめ細かな印象の湯です。癖はないけれど地味に温泉感が伝わってくる、まさに名湯という感じの湯でした。
掲載: 2002/05/30
Data
- 所在地:兵庫県美方郡温泉町
- 入浴 :２０００年１１月
- 泉質 :ナトリウム−塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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