宮城県
ががおんせん
峩々温泉
情緒ある露天が人気の秘湯宿
峩々温泉は蔵王エコーラインから奥にはいっていったところにある一軒宿で日本秘湯を守る会会員の温泉宿です。手負いの鹿が濁川沿いに湯あみをしていたところを猟師が発見し「鹿の湯」と呼ばれて里人に親しまれていたようです。最近は有名な秘湯が多いという妙な現象がありますが、ここもそのひとつでかなり人気のあるところです。人気はあってもさすがは秘湯というだけあって山奥の静かなところです。最近ではさらに秘湯のブームによって人に知られるようになってしまいましたが、ここの宿は団体ツアーお断り、マージャン、カラオケ禁止などホント静かに寛げる宿としてこだわりを持っているところが何ともうれしいですね。またここは日帰りの入浴利用もできますが、浴場は内湯や露天風呂などが幾つかあるけど日帰り入浴ではその一部にしか入ることができず、宿泊しないとすべての湯舟には入れません。名物の混浴露天風呂や掛け湯の内風呂はなかなか素晴らしいものがあるので峩々に来るなら宿泊でなければ意味がないでしょう。日帰り入浴でも利用できる露天風呂の「六治の湯」は男湯はコンクリートで固めた岩風呂、女湯はヒノキの風呂になっていましたがどちらもそれほど大きくはありません。岩風呂はコンクリートがちょっと雑に塗られたようになっていてまた少し陰の方にあるので女湯の方がいいです。(ちなみに16:00〜18:00は両方とも男性専用になります)日帰り入浴可能な内湯の「東の湯」は男女ともにヒノキの浴槽で狭いながらも雰囲気はなかなかいいもんです。5〜6名も入ればいっぱいでしょうが、わりと深さがあり太ももぐらいまでありました。宿泊者のみ利用できる露天風呂は旧館とは逆の建物の一番奥の方にあります。脱衣所は狭く簡易的なものしかないので女性はあらかじめ着替えやすいように浴衣で行きましょう。湯舟はわりと広く奥側と手前側とが半分区切られた形になっていました。奥側は源泉が流れ込んでくるのでかなり熱いです。加熱や加水、循環などはしておらず湯量の調節によって温度を調整しているそうです。さらに川側には川にせり出すような形で小さな丸い露天風呂もありました。こちらは濁川がすぐ目の前を流れているので川の音を楽しみながら浸ることができます。また少々ぬる目なのでゆっくりと入ることができました。山奥なので季節によっては虫が多いようですが、それだけ自然が豊かだという証にもなってます。男女別の内湯・大浴場は木造の大きなもので、また綺麗で清潔感もありました。湯舟はぬる湯とあつ湯に分かれていてぬる湯は40〜42度ほど、あつ湯は43〜45度ぐらいありました。入るときはぬる湯で体を慣らしてから入ると入りやすいと書いてありました。あつ湯は日本三大胃腸病の名湯として名高い峩々独特の湯治法があります。湯舟の縁に木の枕で寝そべって竹筒で湯を汲んでお腹にかけ湯するという方法です。胃の悪い方は胃に、腸の方は腸へ、といった具合に熱い湯を直接患部にかけるのだそうです。だいたい1回の入浴につき100回ほどかけるのが目安だそうです。のんびりと雰囲気に酔いながらボケーっとやっているとこれがまた癖になりそうなほど気持ちがいいもんです。長湯が苦手な人でもずっと湯に入っているわけではないのでのぼせる心配もありません。湯上り後に今度は飲泉で内側からのケアもできます。是非ともまた行きたい温泉です。
掲載: 2002/06/24
Data
- 所在地:宮城県柴田郡川崎町大字前川字峩々
- 源泉名:峩々温泉
- 入浴 :2001年5月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
(低張性中性高温泉) - 泉温 :源泉57.8度
- 湧出量:毎分120リットル
- PH :7.0
- 形態 :温泉旅館 混浴・男女別
- 効能 :リュウマチ性疾患、慢性胃炎、胃下垂・胃・十二指腸潰瘍など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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