宮城県
かまくらおんせん
鎌倉温泉
鄙びた情緒が旅情を誘う山の中の秘境温泉
宮城県刈田郡蔵王町にある鎌倉温泉は「秘湯」という言葉がぴったりといった雰囲気の鄙びた温泉宿です。険しい山奥というわけではないけれども対向車とはすれ違うことのできないほどの狭い道を少し進んで行きます。私の用意した地図には途中から道が載っていなかったためちゃんと辿り着けるか不安にもなりましたが、案内の札がところどころに立っているので迷うことなく行くことができました。とは言うもののこの先にホントに宿なんかあるのかなと不安になってくるような道です。ようやく周りが開けて赤い屋根の木造の建物が見えてくると少々鄙びた感じと静まり返った雰囲気は感動さえもおぼえるほどで、玄関にある鎌倉温泉とかかれた木の看板はなかなか風情があるものでした。温泉は玄関の隣の「湯」の暖簾が下がっている入り口を入った奥にあります。しかしさきほどから人の気配を感じません。引き戸を開けて暫く呼んでみると奥の方からおばあさんが出てきて優しく対応してくれました。料金を払って廊下をすすむと手前側が女湯で奥側が男湯になっています。脱衣所や浴室はそんなに広くないどころかけっこう狭い感じです。浴室は外観から想像するようなものとは違い、わりと一般的な浴室タイプで逆に驚いてしまいました。タイル張りの浴室には変形した四角い湯舟がありますがそれは4人も入れば窮屈なほどのものです。湯は無色透明でとてもサラサラした感じのものだけど少々熱いです。計ってみると湯舟は45度ほどありましたが源泉は23度と分析表にあるので沸かしているのでしょう。小さいながらも湯の注ぎ口は豪快にもライオンの首というのが滑稽に感じました。露天風呂などはないけれども窓はけっこう大きくて室内は採光豊かで明るく、窓の外には真下にホント小さな小川(?)があって目の前は藪になっていました。この宿以外辺りには山ばかりの何もないところなので湯のチョロチョロと流れる音と小鳥のさえずりだけが聞こえるという非常にのほほんとした処です。これがまた何とも落ち着いった気分になれるのでした。
掲載: 2002/06/24
Data
- 所在地:宮城県刈田郡蔵王町平沢
- 源泉名:鎌倉温泉
- 入浴 :2001年5月
- 泉質 :低張性アルカリ性冷鉱泉
- 泉温 :源泉23.7度
- PH :9.4
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :外傷、火傷、アトピー、水虫など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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