山形県
おのがわおんせん・あまゆ
小野川温泉・尼湯
唐破風の重厚な印象の共同湯
山形県の県南部、米沢市の中心地から約10キロほどクルマで20分のところにある温泉街が小野川温泉で、そこにある情緒あふれる共同浴場が「尼湯」です。外観は尼湯という名前の通り尼寺のようなイメージがありますが、とても小さいものです。しかししっかりとその存在感をアピールしていて温泉街の看板的存在になっています。ここは一般の観光客も利用できるので、利用する際には入浴券を目の前の商店で購入してから中に入ります。浴舎に入ると手前側は脱衣場になっていて奥が湯舟になっています。浴室と脱衣場の境には60センチほどの高さの壁があるだけで脱衣場と浴室はほとんど同じ空間にあります。脱衣場には棚が並んでいて各棚の前に「券差し場」と書かれた溝がありました。入浴中はそこに入浴券を差し込んでおいて帰り際に端にある券入れ箱に入れるシステムになっていました。外観の厳かな雰囲気とは対照的に浴室はタイル張りのシンプルなもので銭湯のような雰囲気があります。細長い湯舟は6〜7人くらいは入れる大きさで、底の壁際に小さな溝があり男女の湯舟は底でつながっているので温度や水位は同じになるようになっているようです。湯は無色透明でとっても熱いです。我慢すればなんとか入浴はできますが温度は47度以上ありました。湯舟の奥側には湯の注ぎ口が2つあり、よくよく確認してみたら片方は水でした。加水されているのに湯舟がこんなに熱いということはかなりの高温ですね。計ってみると湯の方は75度以上もありうっかり触れるとやけどの恐れがあり危険です。湯にはしっかりとした硫黄泉の臭いがあり味は塩味プラス独特の味があり梅昆布茶の味に似ているような気もします。なかなか美味しいのでついついたくさん飲んでしまいそうです。洗い場のスペースは6つほどありましたが、鏡と小さな台はあるもののカランはありません。湯舟の湯を桶で汲んで利用するようです。それにしても気さくでローカルな雰囲気が漂う共同湯で素朴さが気に入りました。
掲載: 2002/07/10
Data
- 所在地:山形県米沢市小野川町
- 入浴 :2001年8月
- 泉質 :含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉
(旧泉質名 含食塩・塩化土類・硫黄泉) - 泉温 :源泉82.3度 注ぎ口75.3度 湯舟47.1度
- PH :7.3
- 蒸発残留物:5831mg/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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