青森県
おそれざんおんせん・ひえぬきのゆ
恐山温泉・冷抜の湯
霊場で味わう本格的な湯治場
高野山、比叡山と並んで日本の三大霊場として知られる恐山は宇曾利湖という幻想的な湖の湖岸にあります。恐山菩提寺の境内は硫黄の臭気に包まれてとても怪しい雰囲気があり、境内にはいくつか温泉が湧いていて霊場でありながらも昔から湯治場としても有名だったということです。現在は恐山菩提寺に入山すれば誰でも自由に利用できるようになっていて、山門から一番近いのがこの「冷抜の湯」です。卒塔婆に囲まれた木造の湯小屋で簡素なものだけどそれがまた味があってなかなかいい雰囲気(怪しい雰囲気?)が漂っています。湯小屋の中は脱衣所としての棚と、3〜4名ぐらい入れる湯舟が2つあるだけの素朴なものです。浴室内は床から天井、湯舟までみんな古びた感じの木造になっていて少し薄暗い中に湯けむりが立ち込めている様はなかなか風情があって情緒を醸し出しています。不思議と落ち着くような妙な空気が漂っていて、夜間はさすがに生きている人間以外の者が入っていてもおかしくないような状態です。(苦笑) 湯はほとんど透明ですが微妙にレモン色っぽく白濁しているように感じます。硫黄に何か味付けでもしたような匂いがあり、舐めてみると苦くて酸っぱく強烈な味があります。2つの湯舟の間の2つのパイプから湯が注がれていますが、70.3度と62.2度というかなり熱い湯なので水も一緒に加えられていました。浴槽内は湯の華がこびりついて黄緑色になっています。ここは湯治場であり純粋に温泉を味わうものであり、体を洗うことや洗髪など石鹸やシャンプーを使用することは禁止されていますので注意が必要です。
掲載: 2002/09/04
Data
- 所在地:青森県むつ市田名部
- 入浴 :2001年8月
- 泉質 :硫黄泉
- 泉温 :パイプA 70.3度
パイプB 62.2度 - 形態 :湯治場 古滝の湯と男女交代制?
- 効能 :神経痛・リューマチ、胃腸病など
- 露天風呂:なし
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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