秋田県
ゆのさわおんせん・にっしょうかん
湯ノ沢温泉・日勝館
かつての賑わいがまるでウソのよう!秘境の一軒宿
秋田県の最南端、山形県の県境にある雄勝町にある温泉宿が湯ノ沢温泉日勝館です。国道13号線から3〜4キロほど山の中に入った一軒宿です。国道に案内の看板がありますが、「えっ、ここ?」というくらい細い道なのでうっかりしていると通り過ぎてしまいます。さてそしてここからがまた非常に細い山道になります。しかも舗装もガタガタで対向車がきたらすれ違うのが大変なほどです。細い道を登りきると宿が見えてきます。しかし駐車場がありません。前の道の少し広くなったスペースを利用しますが、何台も停めることができないので早い者勝ちです。宿は山中にポツンと佇む静けさに包まれた秘湯的ムード満点です。鄙びはそれほど感じないけど静かな山の中で素朴な佇まいを見ていると何だか不思議と哀愁を感じてきます。この湯は歴史的にも古く後三年の役から帰還するときに源義家がこの温泉で負傷した兵士を癒したという伝説もあるそうです。また江戸時代には湯治場としてけっこう栄えていて明治の頃には院内から宿まで馬にトロッコをひかせて湯治客を運んだほど賑わっていたそうです。今はそんな面影もなくただひっそりとしていました。浴室は桧造りの湯舟、床、腰掛けがある素朴だけど温かい雰囲気がありますが、ほんの少し狭いかな? 入浴客が多いと狭苦しくなってしまいます。湯舟は手前側に腰掛け用の段がありますが、わりと深めで腰下ぐらいまでの深さがありました。奧のパイプからは無色透明の湯がコンコンと湧き出しています。その透明度はかなり高く湯舟の底の木目まではっきりと見えるほどです。またこの湯はおいしい湯ということでも有名でご一緒した老人の方によるとウイスキーや焼酎をこの湯で割って飲むとものすごくまろやかな味になると力説していました。その方は関東の方で山形の医者からここを薦められたそうです。湯口の脇にはコップが用意されているのでさっそく飲んでみるとなるほど確かになめらかでゴクゴクといけてしまいました。冷やして飲むともっとおいしいかもしれません。味はホント微妙に甘いような苦いような感じがしますが、ひとこと美味しいというだけでほとんど無味です。湯はかなりぬるいのでゆっくりと長湯もできて気持ちがいいです。
掲載: 2002/12/14
Data
- 所在地:秋田県雄勝郡雄勝町下院内
- 源泉名:湯ノ沢温泉
- 入浴 :2001年8月
- 泉質 :単純温泉(低張性アルカリ性温泉)
- 泉温 :源泉40.0度
- 湧出量:毎分86.1リットル(自然湧出)
- PH :9.3
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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