富山県
こうじろおんせん
神代温泉
田園地帯にポツンと佇む素朴さがたまらない
周りを静かな森で囲まれているその山間に田園風景が広がっている長閑な場所にある一軒宿が神代温泉です。かつては湯治客で賑わいを見せ、周りには飲食店もあったという面影は、今ではまったく感じない秘湯ムード満点のところです。浴室は廊下を奧に行った先にあり、右側が女湯、左側が男湯になっていましたが、日によって湯を張っている湯舟が片方だけだったりしてあまり意味はないようです。脱衣所は質素で棚と扇風機があるだけです。浴室は細長く一番奥に4人入ればいっぱいの湯舟がありました。鉄筋コンクリートの建物ですが、天井を見上げるとずいぶんと年季が入っているようで全体的にそうとう鄙びた感じです。見方によっては鄙びたというよりボロいと感じるかも知れません。湯は湯舟の目の前のパイプからドバドバと勢いよく注がれています。注がれている湯は無色透明ですが、湯舟の湯は透明度が15センチほどしかない赤茶色の湯です。あふれ出た湯の排水溝は赤茶色の木目細かな粉のようなものが溜まっていて、周りの岩なども赤く染まっていました。注がれている湯を飲んでみるとものすごくしょっぱいです。またそのしょっぱさの中にサカナの出汁のような味を感じました。例えるならば塩加減を間違えた魚のアラ汁といったところでしょうか。温度もけっこう熱めで43度以上ありました。少し浸かっているだけで汗が吹き出てくるので、温熱効果は絶大なようです。ご一緒した常連の方の話だともともと油田掘削の為に掘ったら温泉が出たらしく、天然ガスとともに湧いているそうで「源泉は火がつくよ」とおっしゃっていました。見てみたいものです。さて、この浴室ですが壁で中央を男女仕切られているのですが、奥側の湯舟のところは岩がちょこっと盛ってあるだけでお隣の湯舟が見えてしまいます。なんかおおらかなローカルムードがあって不思議と落ち着きました。
掲載: 2003/02/23
Data
- 所在地:富山県氷見市神代
- 入浴 :2002年5月
- 泉質 :含炭酸鉄強塩泉
- 泉温 :源泉52度 湯舟43.3度
- PH :7.3
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :慢性関節及び筋肉リウマチ、神経痛など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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