富山県
ほようせんたーおおたのゆ
保養センター太田の湯
ちょっと辺鄙な場所だからこそ静寂を味わえる
高岡市、雨晴海岸から山側へ2キロほど入った森に囲まれた静かな場所に保養センター太田の湯があります。途中には大きな看板があるわけでもなく、道はホントに細い山道なのでこの先に果たしてあるのだろうかと不安になるようなところです。所々に藤の花が垂れ下がり新緑の山々を見事に飾っていてなかなか見ごたえのある景色を眺めつつ奧に進みます。道幅も狭くなり心細くなりながらも進んで行くと鄙びかけた鉄筋コンクリートの建物が見えてきました。駐車場にクルマを停めて入口の階段を上がっていくと受付があります。気さくなおばあさんが説明をしてくれました。ここの湯は石鹸やシャンプーの使用は一切禁止しているとのことです。せっかくの温泉の効果も石鹸やシャンプーで台無しになってしまうからという理由からでした。浴室のある2階にあがり脱衣所に入ります。けっこう広い脱衣所ですが木製の棚が並び、小さな洗面台とパイプイスが置いてあるだけの質素なところです。浴室もいくつかのカランと大きめの湯舟があるだけで配管の剥き出しになった湯口から無色透明の湯が注がれていたりと飾り気はあまりありません。湯舟の湯はあまり臭いなどは感じませんでした。このとき少々湯は少なかったのですが、毎日朝沸かすそうなので朝一番で入ればなみなみと湛えた湯舟にありつけるようです。湯舟からは新緑のもみじが綺麗に見えてとても心安らぐ雰囲気を感じます。ふと気が付くと浴室の隅の方にコップの置かれた蛇口がありました。蛇口をひねってみるとほんのりと硫黄の臭いがする水が出てきました。あとで聞いてみるとこれは源泉なんだそうです。飲用すると胃腸病や手術後の回復促進に効果があるそうです。入浴は1時間と受付の際に念を押されたのでキリのよいところであがることにしました。帰り支度をして挨拶をすると玄関で「お湯を飲んでいきなさい」と薦められました。お湯の説明や1200年続くこの温泉の歴史などとともに世間話で会話が盛り上がり、面白い話を沢山聞くことができました。ローカルな暖かみが感じられるひとときでした。
掲載: 2003/02/23
Data
- 所在地:富山県高岡市太田
- 入浴 :2002年5月
- 形態 :温泉宿 男女別
- 効能 :(浴用)やけど、切り傷、皮膚病など
(飲用)胃腸病、手術後の回復促進など - 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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