北海道
にごりかわおんせん・しんえいかん
濁川温泉・新栄館
鄙びは抜群!年季の入った老舗の温泉宿
森町の北西部、濁川温泉は小さな盆地にある長閑な温泉地です。濁川温泉にはいくつかの温泉旅館がありますが、点在しているのであまり温泉街というイメージはありません。その中でも一段と奥まったところにある新栄館は北海道の中でも歴史ある温泉旅館で、何ともいえない鄙びた雰囲気が味わえるというところです。浴室は廊下の奧、階段を少しおりたところにあります。こちらに浴室は混浴になっているそうですが、新館には女性専用の浴室があるようです。脱衣所はとても簡素で少々くたびれてきている感じがありました。壁には木製のいかにも古そうな分析表が掲げられています。こういうのはけっこう期待しちゃいますね。アルミサッシのガラス戸を開けると浴室です。これがまた入った瞬間に「おおっ」と声をあげてしまいたくなるような感動できるほどの鄙びがあります。なんでも湯舟は明治の頃に作られたという話ですのでそうとう年季がはいっているように思えます。そういえばさっきの分析表も「昭和拾年」と書かれていました。室内はけっこう広くそれぞれ5〜6人は入れそうな湯舟が3つありました。山の清水なのでしょうか、浴室の隅にはパイプで冷たい水がひかれていてジャバジャバと音をたてながらバケツに注がれ溢れていました。コンクリート製の湯舟はどれも温泉の成分でしょうか、クリーム色の堆積物でしっかりとコーティングされたようになっています。しかも床は湯舟から溢れ流れた湯の跡が山や谷をつくって鍾乳洞の中にいるような気分にさえさせてくれます。まさに自然の芸術という感じがします。さっそく掛け湯をして湯舟に浸かろうと湯を桶に汲もうとしたらこれがまた熱いんです。ものすごく熱いので温度をはかってみたところ奧側の2つの湯舟はどちらも50度ほどありました。一番手前の湯舟はさきほどの清水で加水されているのかな、42度とちょうどいい感じです。無色透明、いや若干黄緑色っぽくなっているようないないような微妙な感じの湯で、木酢を薄くしたような臭いを感じました。飲んでみるとちょっとしょっぱいようです。お湯はとてもしっとりした感じでした。
掲載: 2003/03/29
Data
- 所在地:北海道茅部郡森町濁川
- 入浴 :2002年8月
- 泉質 :食塩泉
- 泉温 :源泉摂氏156度
- 形態 :温泉旅館 混浴・女性専用
- 効能 :慢性消化器病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- レトロ度:☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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