北海道
とよとみおんせん・ふれあいせんたー
豊富温泉・ふれあいセンター
まるで原油に浸かっているような強烈な温泉
豊富温泉は稚内まで40キロほどという北海道の北部にある小さな町です。町の市街地から少し離れた豊富温泉は大正の末期に石油試掘中に発見されたという温泉で、現在は旅館などがならぶ道北一の温泉街になっています。温泉街の中心にあるふれあいセンターはとんがり屋根が印象的な町営の日帰り温泉施設です。ここには従来からある旧館と増設されてできた新館があります。旧館は源泉重視の湯治用で新館は設備も充実した一般用と位置付けられていましたが、どちらでも好きな方に入ることができます。さすがに石油の発掘で見つかった温泉だけあってここの温泉には石油分が含まれているという珍しい温泉なのです。新館の一般用の湯舟では循環して漉して油分を減らしてから使用しているとのことですが、それでも浴室に入ると油臭がすごく湯面には茶色い油が垢のように浮いています。さらには浴室内のタイルまでがワックスをかけたかのようにヌルヌルしているのでした。湯舟の湯は黄銅色をしています。シャワーや洗い場の設備は普通の温泉施設のように整っていて一見したところ普通の温泉浴場のように思えるレイアウトなのですが、この湯はさすがに強烈なインパクトがありました。一般用でさえこれなのだから旧館の湯舟が楽しみです。旧館の方は脱衣所、浴室ともに鄙びかけた雰囲気があり素朴な印象があります。浴室に入ると一般用と同じように油臭が鼻を刺激します。湯舟には木の杭で囲まれた湯口から源泉がどんどん注がれています。湯面の油の量はかなりのもので、湾岸戦争のときのペルシャ湾を彷彿させるほどでした。湯舟に浸かると全身がワックスまみれになったような嫌なヌルヌル感に包まれます。まるでサラダ油を全身に塗りたくっているようなイメージです。湯舟からあがると全身が少し黒光りしているのがわかります。肌に刺激がないどころか優しく包まれている浴感はいいのですが、ガソリンタンクに首を突っ込んでいるような臭いは強烈でしばらくすると頭が痛くなってきました。それでもここの湯はアトピーに効くと評判で人気高いので湯治客はこの油を全身にこすりつけていました。重度の皮膚炎の方など熱心に通っている常連が多く、つくづく効果の高い湯だと感じました。
掲載: 2003/06/01
Data
- 所在地:北海道天塩郡豊富町豊富温泉
- 源泉名:R1A号井・R4号井・R9号井混合
- 入浴 :2002年8月
- 泉質 :ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉(高張性弱アルカリ性冷鉱泉)
- 泉温 :源泉20.2度
- PH :7.9
- 蒸発残留物:12.67g/kg
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、アトピー性皮膚炎など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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