島根県
たまつくりおんせん・ほせいかん
玉造温泉・保性館
ダイナミックな大浴場のある大型旅館
玉造温泉と言えば日本を代表する温泉地のひとつですが、これは今に始まったことではなく奈良時代には河原に露天風呂が作られて多くの人々が訪れるなど、すでに人気の温泉地だったそうです。奈良時代に作られたという出雲風土記には「一たび濯げば形容端正しく、再び浴すれば万の病悉に除こる」と記され、若さを保ち万病を癒す名湯として古くから知られていたことが分かっています。宍道湖から向かって玉造温泉街の奥側にある和風の大きなホテルが創業300年の歴史があるという「保性館」です。和風とはいえ鉄筋コンクリートの大きな建物ですが、中庭に庭園があるなどつくりは本格的で立派なところです。温泉浴場は地下一階にある岩風呂の「瑠璃」と露天風呂が併設されている「紅柄」の2ヶ所があります。それぞれの浴場は時間交替制で男女入れ替わるシステムになっていました。まずは岩風呂の「瑠璃」へ向かいます。脱衣所には浴後の水分補給にとってありがたい冷水機のサービスもありました。また脱衣所内は脱衣用のカゴが並んだシンプルなものだけど、貴重品用の小さなカギ付きロッカーもあるので安心できます。浴室内に入ると大小様々な岩が重なり合っているダイナミックな湯舟が目に飛び込んできます。湯舟は奥側が少し高くなって二段になっています。また石を幾重にも積み重ねた上から湯の滝が流れ落ちる演出になっていて見た目もなかなか豪華です。湯は無色透明で特に臭いも感じませんがとても木目細かい柔らかい湯で、また弱アルカリ性のツルツルした肌触りがなんとも気持ちがいいものです。湯は口に含んでみるとほんの少し苦味を感じる程度でしたが、周囲の岩は水面付近のところが砂糖菓子のように白い結晶がついていました。もう一方の浴場「紅柄」は1階フロントの奥にあります。内湯と露天風呂があり、露天風呂は岩風呂になっていました。露天風呂は階段状に深くなっていて股下ぐらいまでの深さがありました。そんなに広くはない湯舟だけれども、深さがあるのと御影石を配した庭園風の演出がなかなか気分を盛り上げてくれて気持ちがいいものでした。
掲載: 2003/07/26
Data
- 所在地:島根県八束郡玉湯町大字玉造
- 入浴 :2002年12月
- 泉質 :低張性弱アルカリ性高温泉
(ナトリウム・カルシウム−硫酸塩・塩化物泉) - 泉温 :源泉59.4度
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 異色度:☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索