山形県
ごしきおんせん・そうかわりょかん「てんぼうろてんぶろ」
五色温泉・宗川旅館「展望露天風呂」
役の行者小角の発見伝説がある山間の秘湯
五色温泉は山形県の南部、米沢市の福島県境付近にある山深い温泉地です。五色温泉はその昔、天武天皇の時代の白鳳年間(672-685)に役の行者小角(えんのぎょうじゃおづぬ)が、5色の湯けむりが立ち上がっているのを発見したという伝説からその名がついたというまさに秘湯と呼ばれるにふさわしい自然に囲まれた温泉です。役の行者小角と言えば日本各地の山で修行を積み、数々の温泉も発見しているというスーパーマン的存在の方で、有名なところとしては和歌山県の龍神温泉も彼による発見とされています。明治38年に創業したという歴史ある「宗川旅館」は、標高が900メートルということですが周りの山々をのぞめる高台にあって見晴らしは抜群の立地にありました。宿はリニューアルをしたのか、けっこう新しい感じで大きく立派です。入口の看板は5色のカラフルなモダンなもので、かなり現代的な部分も意識しているみたいですが、雰囲気は秘湯そのものです。平成12年に作られたという展望露天風呂は宿の玄関の目の前の坂道を登ったさらに高い所にあります。木造の浴舎で廊下を進むと手前側が女湯で、奥が男湯になっていました。扉を開けると脱衣場とすぐ目の前は湯舟です。脱衣場は簡素な台があるだけで、シンプルというよりは質素と言った感じですね。湯舟の前の床は白い御影石になっていますが、湯舟は木造です。湯舟には一本の木の枝が壁からしっかりと固定されて湯舟に突っ込まれています。何だろうと思ったら手すりの代わりのようですね。金属の既製品なんかよりもずっと味があっていいものですね。湯は薄くウグイス色に濁っていてかなり熱めです。桶に汲んで何杯かかぶり、体を慣らしてから入ることにしました。かなりツルツル感のある湯でとても気持ちがいいです。露天風呂とはいっても立派な屋根があります。壁はほとんど無いようなものなので風通しがいいです。山々に囲まれて眺めもよく、ついついボーッとしてしまうようなロケーションです。湯は45分毎に15分間湯がとまると書いてあるのですが、何か意味があるのですかね。浴場はこの他に石組みのアーチと岩盤を利用した内風呂や、森の露天風呂があり、ゆっくりとそしてのんびりと温泉を楽しむことができる秘湯の一軒宿です。
掲載: 2004/01/24
Data
- 所在地:山形県米沢市板谷
- 入浴 :2003年8月
- 泉質 :ナトリウム−炭酸水素塩温泉(重曹泉)
- 泉温 :源泉48.9度 湯舟45.6度
- PH :8.2
- 蒸発残留物:948.1mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :きりきず、やけど、慢性皮膚病、神経痛、筋肉痛など
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 優雅度:☆☆
- 疲労度:☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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