青森県
おおわにおんせん・れいゆおおゆ
大鰐温泉・霊湯大湯
鄙びと独特のローカル感がたまらない
青森県津軽地方の南部にある大鰐町は、温泉とスキーとリンゴを中心とした素朴な町です。北国なのに大きなワニでもいるのかとびっくりするような名前の町ですが、地名の由来としては大阿弥陀があることから鎌倉時代に「大きな阿弥陀様のあるところ」という意味で「大阿に(おおあに)」と呼ばれたからという説や、山の大きな沼に巨大なサンショウウオ(鰐)がいたという伝説からきたものだという説もあります。その大鰐町の中心を流れる平川沿いには温泉街が形成されています。大鰐温泉の歴史は古く、建久年間(1190〜1198)に円智上人が発見したと伝えられていて、実に800年以上もの時を刻んだ温泉です。大鰐温泉街にはいくつかの公衆浴場もあります。そのひとつ霊湯大湯は町の中心地近くにある老舗の公衆浴場で地域住民に親しまれています。通りからは少し引っ込んだところにあるのでうっかりすると見過ごしてしまいがちですが、目の前にバス停があるのでそれを目印にすればいいでしょう。ここは公衆浴場とはいえけっこう大きな建物で公民館のような雰囲気があります。玄関を入ると自動券売機があり、入浴券を購入して番台に出すシステムになっていました。脱衣所に入るとまず階段があり、ちょっとさがっています。わりと広い脱衣所で、棚がずらりと並んでいて体重計などもありました。浴室側は一面がガラス窓で、入ると中央に大きな円形の湯舟があります。浴室内はシンプルなタイル張りなので、オーソドックスな地方の共同湯といった感じだけど、けっこう広いのでゆったりしています。多少年季が入ってきているみたいで、鄙びかけたところがローカルムードを感じさせてくれます。浴室の両脇には洗い場、カランがあり、シャワーもついています。奥側の洗い場はシャワーはなく水の蛇口しかありませんでした。湯は微妙に白く濁った湯だけど、ほとんど透明といっていいでしょう。このときはそれほど熱くもなく温くもなくなかなかの適温でした。注ぎ口は一見したところ見当たらないけど、湯舟からは少しずつ溢れています。円形の湯舟は縁沿いに泡がポコポコと出ているので、底を見てみるとぐるりと管が通っていました。そこからお湯は注がれているみたいです。男女間を遮る壁はガラスブロックになっていて、その一部中央には水槽らしきものがありました。今は中には何も入っていませんでしたが、昔はメダカか金魚でも飼っていたのでしょうかね。水槽の女湯側には目隠しがしてあったので、反対側は見えませんのでご安心を。
掲載: 2004/03/14
Data
- 所在地:青森県南津軽郡大鰐町
- 源泉名:大鰐統合泉
- 入浴 :2003年8月
- 泉質 :ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉
- 泉温 :源泉68.6度
- 形態 :公衆浴場 男女別
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 下町度:☆☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
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