青森県
ゆのさわおんせん・なりやおんせん
湯の沢温泉・なりや温泉
濃厚な療養泉と豊富な湯量が自慢の湯治宿
国道7号線を津軽湯の沢駅から秋田県方面に向かうとすぐに山の中に続く脇道があります。1キロから2キロほど入ったところで見えてくるのが湯の沢温泉の「なりや温泉」です。湯の沢温泉は、湯の沢沿いに点在する秋元・なりや・湯の沢山荘の三つの温泉を総称したものですが、それぞれ湯の感じも泉質も違ったものになっています。小ぢんまりとした鄙びた小さな宿かと思っていたら、新しいというわけではないけれどもわりと大きな建物でした。浴室は2ヶ所あり玄関入って左が第一浴場、右奥が第二浴場となっています。第一浴場は入口と脱衣所は男女別になっていますが、浴室では一緒になるので混浴となっています。浴室はタイル張りのシンプルというか質素というか飾り気の無い素朴なもので、浴室入口脇に小さな掛け湯と浴室の中央に大きな湯舟があります。洗い場は奥の壁側左右に1つずつカランがあるだけで、体を洗う為の浴室というよりは、温泉で体を癒すといった湯治場的な雰囲気です。湯舟の一角にはニョキッと突き出た塩ビのパイプから湯がどんどんと注がれています。湯は白みがかった黄緑色でたまに湯の華のようなものが舞っているようでした。飲んでみるとほんの少し塩味を感じる程度でした。しっとりとした肌触りの湯でのんびりと浸かっていると、疲れもコリもほぐれるような感じがする湯でした。ちなみに温泉の成分のせいなのか湯舟の石の部分は滑りやすくなっているので注意が必要です。思わずコケそうになってしまいした。第二浴場は混浴入口と女湯入口の2つがあります。女湯の脱衣所からは女湯の浴室と混浴の脱衣所の両方に自由に行くことができるような構造になっています。混浴の浴場の様子を確認することができるので、女性にとっては親切な造りですよね。浴室はやはりとてもシンプルなもので、浴室の中央に湯舟があるだけなのですが、その湯舟がこれまたすごいものなんです。湯舟の原型がわからなくなっているほどクリーム色の堆積物で全体がコーティングされてしまっているのです。湯が流れ出る通り道などは跡がくっきりとついてしまっていて、まるで芸術作品のような印象です。湯は脇から延びているパイプから掛け流されていて、湯舟の湯は入浴剤でも入れているかのような白緑色に濁った湯で透明度は6〜8センチ程度です。第一浴場とは別源泉なのですが、かなり印象が違いますね。けっこう熱めの湯だったので入れないというほどではないけど、長湯するのはちょっとキツイ状態でした。湯舟の表面には木目細かい粉のようなものが沢山浮いていました。これがこのコーティングの正体でしょう。飲むとかなり塩辛い湯でした。とっても静かな環境にあり温泉も空気も水もよいところなので、ゆっくりと湯治をするのもいいですよね。
掲載: 2004/05/30
Data
- 所在地:青森県南津軽郡碇ヶ関村湯の沢
- 入浴 :2003年8月
- 泉質 :(第一浴場)弱食塩泉、(第二浴場)食塩硫化水素泉
- 泉温 :(第一浴場)源泉46度、(第二浴場)源泉51度
- 湧出量:(第一浴場)毎分28.8リットル、(第二浴場)毎分28.8リットル
- PH :(第一浴場)7.0、(第二浴場)7.0
- 形態 :温泉旅館 混浴・女性専用
- 効能 :慢性関節筋肉リウマチ、神経痛、腰痛、創傷、痛風など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索