宮城県
ゆばまおんせん・みうらりょかん
湯浜温泉・三浦旅館
徒歩でしか行けない秘境の温泉
国道398号線を鳴子方面から秋田県方面に向けて走っていき、県境の花山峠の手前の山の中にあるのが、秘湯と呼ばれる湯浜温泉です。何も知らずに国道を走っていたら気がつかないのではないかというところにあるのです。と言うのも国道からは離れたところにあるからなのです。まずは道路脇にクルマを停めて山道に入ります。これがまたけっこうな山道で、この先に温泉宿なんかあるとは思えないようですが、岩を越え沢を越え歩くこと10分ほどで宿に到着します。国道のなかった昔は下の集落から徒歩で4時間ほどかかったということなのでこれでも便利になったようです。沢沿いをしばらく歩いたところで突然開けて宿があるのですが、これがまたけっこう新しくて綺麗なんです。なんでも一度倒壊してしまったということで新しく建て直したとのことでした。館内の浴場は小さいけれど、山の宿といった雰囲気があって脱衣所と浴室にはランプがありました。昼間は自家発電をしているそうで電灯もあるのだけど、夜9時を過ぎると電気を止めるのでシャワーも使えなくなってしまいます。浴室は小ぢんまりとしていて、4人ほど入れる木の湯舟と洗い場がひとつあります。床は黒い石タイルなのでとても落ち着いた雰囲気です。男女間の壁は木の板がスリッド状になったものになっていて、相手側は覗き込まなきゃ見えませんが風通しがよくなっています。とてもおおらかな雰囲気だと思います。身内で入ることも多いだろうから隙間から覗かせて会話を楽しむのもよいのではないですかね。湯舟にはチョロチョロと湯が注がれていて、少々熱めの温度でした。無色透明のクリアな湯だけど湯舟の中には白い湯の華と茶色い湯の華が沢山浮遊しています。そしてちょっと硫黄臭もします。小さな湯舟なので体を沈めると一気にドバーッと溢れるのが気持ちよく、また静かにのんびりと入浴することができました。野趣満点の露天風呂は宿から少し離れたところにあります。宿に来る途中の沢沿いにあるのですが、通りからだと川沿いに簡素な脱衣小屋があるのですぐにわかります。湯舟は大きな岩の隣にコンクリートで囲まれた3〜4名ほどは入れる小さなものがあります。ここは男女の区別はなく混浴になっています。こちらも玉子のような硫黄臭のする湯が少しずつ注がれています。沢の水を引き込むホースもあり、温度調節もできるのでなかなか適温でした。こちらの方が内湯よりもツルツル感があるように思えました。源泉は少し上流の滝の近くにありました。もっと滝の近くに湯舟をつくって滝見風呂でもよかったとは思いますが、今のままでも目の前は渓流、後ろは山と大自然に囲まれ開放感はほんとばっちりです。夜はランプやロウソクの灯りで入浴することになりますが、山道には電灯などまったくないので注意が必要です。沢の音や虫の声をBGMにいつまでも入っていたくなるようなワイルドな温泉でした。
掲載: 2004/07/18
Data
- 所在地:宮城県栗原郡花山村字本沢岳山
- 源泉名:(内湯)いわなの湯 (露天)上の湯
- 入浴 :2003年8月
- 泉質 :単純硫黄泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
- 泉温 :(内湯)源泉57.5度 (露天)61.0度
- PH :(内湯)7.8 (露天)7.6
- 形態 :温泉旅館 男女別・混浴
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり(露天は簡素なもの)
- 開放度:☆☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆
- 穴場度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 疲労度:☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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