宮城県
なかやまだいらおんせん・ひがしへびのゆりょかん
中山平温泉・東蛇の湯旅館
熱い源泉を自然冷却するこだわりの湯
鳴子温泉街から国道47号線を西に向かい鳴子峡をすぎたところにあるのが中山平温泉です。東蛇の湯旅館はその一番奥にある湯治の宿で、何も飾ることのない素朴な雰囲気が漂っていました。宿そのものはやや古めかしさを感じられるのだけど、古いというよりは味が出てきているといった感じで嫌味をまったく感じません。浴室は清流沿いにあり脱衣所は男女別にわかれていますが、浴室はひとつなので混浴になっています。内湯は古ぼけたタイル張りの大きなもので、四角形の湯舟が二つありました。片方の湯舟には湯が入っているものの鎖で封鎖してありました。鎖が張ってある場合はお湯を入れたばかりという印で熱くて入れないとのことです。ちょこっと触ってみましたが、本当に熱湯のような熱さです。源泉の温度が高いのでこうやって湯を張った後はしばらく冷まさなければならないのらしいですが、加水をしないで自然に冷めるのを待つというところが温泉に対するこだわりを感じさせます。浴室には洗い場のスペースは少しあるのですが蛇口があるというだけで、シャワーなどはありません。しかも、浴室の中央付近にある蛇口は錆付いて利用できなくなっていました。湯治場ということで、お風呂は体を洗うというよりも湯に浸かるのがメインになるので特に問題はないのでしょうね。湯舟のお湯はほんの少し緑色っぽく感じますがほとんど無色透明で、硫黄臭が感じられます。入るとすぐにわかりますが、ものすごくツルツルというかヌルヌルというか特徴的な浴感があり、この感触は好きな人はたまらないでしょうね。内湯の外側はベランダのように川に迫り出していますが、ここが露天風呂になっていました。こちらは広く大きな岩風呂風の湯舟で、とても開放感が感じられます。すぐ脇は川が流れているし、対岸は森になっているので自然をそのまま満喫するような雰囲気です。露天風呂は細長く広いのですが、さらにその奥に長方形の湯舟があり、その奥には木造の小屋がありました。その小屋は入口が二重扉になっていて中に入ると温泉熱を利用した蒸し風呂になっていました。わりと広い室内で、床は全面がスノコ状になっていて、その下に熱湯の配管が通っているようです。このときは真夏の日中ということもあって比較的空いていてのんびりと入浴が楽しめ、また混浴ですが女性でも利用しやすいと感じましたが、少し混雑すると開放的な雰囲気が逆に入りづらくなってしまうようです。とてもいい雰囲気の場所なので女性の方でもチャンスをうかがって入ってみることをお勧めします。
掲載: 2004/07/18
Data
- 所在地:宮城県玉造郡鳴子町字星沼
- 源泉名:1号地A3号・白須8号・6号地G2号・6号地G3号・6号地G4号 混合泉
- 入浴 :２００３年８月
- 泉質 :含硫黄-ナトリウム・炭酸水素塩・硫酸塩泉
(低張性弱アルカリ性高温泉) - 泉温 :源泉100.0度
- ＰＨ :８．３
- 蒸発残留物:927.4mg/kg
- 形態 :湯治宿 混浴
- 効能 :高血圧症、動脈硬化症、末梢循環障害、リウマチ性疾患など
- 露天風呂:あり
- 脱衣所:あり(女性用あり)
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
温泉レポートを検索