宮城県
ひがしなるごおんせん・りょかんおおぬま
東鳴子温泉・旅館大沼
日本百名湯と絶賛される名湯旅館
東鳴子温泉は鳴子温泉の東側2キロほどのところにある温泉街です。旅館大沼はその中でも老舗の温泉旅館で、温泉教授として有名な松田忠徳氏が「日本百名湯」として紹介するほどの名旅館でもあります。まずこの旅館の魅力のひとつは浴室の数です。源泉は二種類あって浴室八種類もあるのです。まずは薬石と赤湯を組み合わせた「陰の湯」、そして備長炭と赤湯を組み合わせた「陽の湯」は館内の四階にある小ぢんまりとした浴室です。それから中庭に面した岩風呂の露天「石割の湯」は小ぢんまりとしながらも、大正時代からこのままの石並びということで、渋めの露天です。「ふかし風呂」は蒸し風呂かと思ったら、蒸しているのではなく温泉熱で暖めた部屋をアロマテラピーと組み合わせたリラクゼーションを楽しめるアロマサウナ的浴室でした。「家族風呂」はタイル張りの小さくシンプルな浴室です。これらはすべて貸切で利用することができます。それから館内のメインの浴室は「薬師千人風呂(天女大壁画)」です。昔ながらの大浴場ということですが、他の浴室が小ぢんまりとしているだけあって広く感じます。それにちょっと驚くのが壁面に書かれた天女の絵です。仏画を専門とする若手の画家、高橋典子さんという方が半月かけて描いたそうで、宗教画っぽくなりがちな天女画ですが、その表情が豊かでどこかほのぼのとした雰囲気がありました。ちなみにこの浴室は入口がふたつあり、混浴になっています。大浴場とはいえ内湯なので女性の方は入りづらいかもしれませんが、他に浴場がいくつもあるのでタイミングを見計って入るのがいいかもしれません。またこの隣には小さいですが女性専用の天女風呂もあります。ここの湯は美人湯というだけあってスベスベする気持ちのいい湯で、浴後もいつまでもツルツルとした肌が楽しめるので、女性に人気があるのは当然でしょうね。館内にあるのはこれら七つの風呂ですが、ここでの一番人気の温泉は離れにある秘密の露天風呂「母里の湯」です。この露天風呂を利用するには宿からクルマで送迎してもらいます。クルマで移動するといってもほんの2〜3分ほどです。到着すると木の門をくぐって庭園に入っていきます。すると小さな小屋がありそこが素朴な脱衣所なんです。そしてその目の前に広がるのが大きな庭園風呂。これも完全貸切制で宿泊者のみの限定利用。たとえ一人でも貸切なんですよ、これはかなりの贅沢です。庭園ということもあってまわりは森に囲まれた野趣満点の雰囲気で、虫除けに蚊取り線香を焚いたりします。静かなロケーションでホントに隠れ家的な雰囲気は幻想的でもあってついつい佇まずにはいられなくなります。この宿の謳い文句の「快浴洗心」がそのままズバリという気分です。雰囲気だけでなく温泉もすべてが源泉掛け流しで泉質もいいとあったらこれほどのものはないですよね。お湯だけでなく宿のもてなしも文句なしの状態で、かなりお勧めです。
掲載: 2004/07/19
Data
- 所在地:宮城県玉造郡鳴子町字赤湯
- 入浴 :2003年8月
- 形態 :温泉旅館 貸切・混浴・女性専用
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆
- 優雅度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆
- 景色 :☆☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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