石川県

おやだにのゆ

親谷の湯

野趣満点!羞恥心も吹っ飛ぶ滝見風呂
白山スーパー林道は日本三名山のひとつ「白山」の北側を石川県から岐阜県にまたがる全長33.3キロの舗装された有料道路です。深い谷の間を抜ける秘境の道路で、よくもまぁ切り開いたものだと関心してしまうほど人里離れた大自然の中の道路です。「親谷の湯」はその白山スーパー林道の途中にある野趣満点な無料の露天風呂です。しかし温泉の利用は確かに無料だけれども通行料がめちゃくちゃ高いのでなかなか気軽に楽しみに行くというわけにはいかないかもしれません。利用時間も通行できる昼間のみで、また冬季は通行止めになっているので利用できません。露天風呂は石川県側から向かうと近いです。それにしてもこの道は走りやすいです。深い渓谷沿いを縫うようにして進んで行くのですが、高い通行料を払うだけのことはあるくらい立派な道路です。さて親谷の湯へはまず手前の駐車場にクルマを停めます。わりと広めの駐車場で一般の休憩ポイントのようなところです。そこからは谷底へと急な坂道を下っていきます。入口の案内には往復40分とありますが、健康な人ならばそんなにはかからないでしょう。行きは降りていくだけだから膝を痛めないように気をつけて歩けば問題ありません。帰りはかなりの急勾配なので息が途切れて普段の運動不足が祟ります。しばらく進むと露天風呂があるのですが、渓流の対岸には老婆の髪のような「姥が滝」があり、かなりダイナミックなロケーションです。この滝は日本の滝百選にも指定されている名瀑でいやはや絶景です。露天風呂は石で囲まれコンクリートでしっかりと整備されたものですが、なかなか雰囲気も悪くない素朴な岩風呂です。手前側に簡易的な脱衣所がありますが、ただ川側に板があるだけで通行人からも丸見え、単なる着替え置き場と考えた方がいいですね。けっこう滝を見に来る人や露天風呂を見学に来る人など観光客の多い場所なので女性はそれなりの覚悟がなければ入浴は厳しいでしょう。湯舟には壁の中央付近から熱い湯が注がれています。同時に冷たい水も注がれていました。湯舟の中央には竹筒が横に渡してあるのですが、これがまた単なる仕切り棒なんかではなく実はけっこうな優れものなんです。湯舟の湯が熱すぎる場合は、その筒を湯口に当てて熱湯を谷底に逃がします。そうすることによってだんだんと湯舟はぬるくなっていきます。逆にぬるい場合には注がれる水の方を筒を通して谷底に捨ててあげればだんだんと熱くなってくるのです。適温の場合はそのまま何もしなければいいので、こんなすばらしい温度調節機能があるとは驚きですね。湯はほとんど無色透明で特別感じる臭いなどはありません。湯舟に浸かると目の前の滝がまたとってもいい具合に目に飛び込んできます。これだけのロケーションの温泉もなかなかないのではないでしょうか。羞恥心さえぶっ飛んでしまう開放感、そして優越感を楽しみながらのワイルドな温泉でした。
掲載: 2004/10/09
Data
  1. 所在地:石川県石川郡吉野谷村中宮
  2. 入浴 :2003年10月
  3. 形態 :露天風呂 混浴
  4. 脱衣所:囲いのみ
  5. 開放度:☆☆☆☆☆
  6. 清潔度:☆☆
  7. 気軽度:☆
  8. 穴場度:☆
  9. 野趣度:☆☆☆☆☆
  10. 秘湯度:☆☆☆☆
  11. 優雅度:☆☆☆
  12. 疲労度:☆☆☆
  13. 異色度:☆☆☆☆
  14. 人気度:☆☆☆☆
  15. 景色 :☆☆☆☆☆
  16. 総合評価:☆☆☆☆