愛知県
しらさぎおんせん・しらさぎかん
白鷺温泉・白鷺館
カランからも源泉が味わえる素朴な旅館の温泉
白鷺温泉の白鷺館は東海地方屈指の紅葉の名所で知られる香嵐渓の近く、巴川沿いにある温泉旅館です。白鷺温泉はわりと古くから知られる温泉で、その昔、傷ついた白鷺が水辺で傷を癒しているのを里人が見かけたことから発見されたという白鷺伝説の残る温泉なのです。駐車場の奥、一段下がったところに建物がありますが、昭和27年に建てられたという古い建物がレトロでどこか懐かしい雰囲気の趣きある旅館です。玄関に入るとまずはズラリと並んだ日本酒の数々に目を奪われます。宿主の趣味で集めたという全国各地の銘柄が揃っているそうなんです。この宿は鮎料理や猪鍋も美味しいということで、素朴な素材ながらも美食を楽しむ宿としても有名なのだそうです。館内も外見と同様に少し古びた感じがあり、黒光りした木造の廊下や壁が昭和の時代を感じさせてくれる風情のあるものです。浴室はその廊下の奥にありました。浴室の入口もすごく素朴で、年季を感じさせていました。浴室の前には額に入ったとても古そうな温泉分析表があります。日付は昭和26年とありました。脱衣所には棚にカゴが並んでいますが、コインロッカーも少しだけあります。浴室は四角い湯舟がひとつあるだけのいたってシンプルなものです。おそらく白鷺をあしらったものだと思われる壁に描かれたタイル画は、ダイナミックで印象的なんですけど、どうも抽象的すぎてよくわかりません。湯舟の前にはガラス窓があるので、そこからは木々や外の景色が見えるのですが、湯舟に浸かっていると何も見えません。湯舟の湯は加熱循環式のようで底からもこもこっと湯が湧いていますが、溢れ出る気配はありません。微妙に硫黄っぽいような臭いが感じる気もしますが、無色透明で特に印象も残らない湯です。洗い場にはシャワーのついたカランが並んでいますが、やや使い古されていて湯が出にくいものもあります。一応、ボディソープやリンスインシャンプーが備え付けられていました。カランの水をひねると硫黄の臭いがプーンする水が出てきます。源泉がそのまま引かれているそうで、これはなかなかいい感じです。素朴な料理に地酒、そして温泉を静かにゆっくりと楽しむには、なかなかいい宿だと思います。
掲載: 2004/11/20
Data
- 所在地:愛知県東加茂郡足助町野林
- 入浴 :2004年1月
- 泉質 :硫化水素鉱泉
- 泉温 :源泉20.6度
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :慢性関節リウマチ、慢性筋肉リウマチ、神経痛、慢性皮膚病など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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