奈良県
しおのはおんせん・ゆもとやまばとゆ
入之波温泉・湯元山鳩湯
湯舟を丸ごとコーティングする濃厚な温泉
国道169号線から脇道に入り大迫ダムの上を通って細いクネクネ道をダム湖沿いに進むとやがて入之波温泉が見えてきます。山鳩湯はその一番奥にある素朴な温泉宿で、湖畔の急斜面にへばりつくように建っていました。駐車場はとても狭いので先客が複数いると停めるのに苦労するかもしれません。建物は崖の下にあってここからは宿への入口階段しか見えませんが階段を下りていくと玄関があります。ここは食事処もあり日帰りの入浴客にも人気があるようでけっこう沢山の人で賑わっていました。浴室はさらに階段を下りた先にあります。1階、2階、3階分ぐらい下りたところでしょうかね、やっと浴室の入口が見えてきます。下りる途中には古い浴室跡がありましたが、現在は使われていないみたいです。脱衣所は棚とカゴがありますが、やや閉鎖的な感じの狭苦しいところです。浴室の扉を開けると思わず声を出してしまいそうなびっくりする光景が広がっていました。浴室はわりと広く大きな湯舟があり床はすべてスノコで覆われていますが、湯舟には黄銅色に濁った湯がなみなみとしていて湯舟の縁は原型を留めないほど鍾乳石のような堆積物で覆われています。パンフレットを見ると杉丸太で作られた湯舟ということらしいですが、まるっきり杉の木の「すの字」も見えません。スノコの床も湯舟に近いところは木なのか石なのかわからない程にコーティングされてしまっています。湯は太いパイプから打たせ湯のようにしてドバドバと湯舟に注がれていました。その湯量もけっこうなもので、見ているだけで思わず圧倒されてしまいます。湯舟の湯は透明度にして15センチほどでしょうか、底はまったく見えないので足元をまさぐりながら注意して入りましょう。思いのほか深めで、お尻ぐらいまでありました。湯舟の表面には垢のような砂のような細かなものが漂っていますが、これは温泉のカルシウム分だと説明がありました。湯口の近くにはコップが用意されていたので飲んでみると鉄臭いような苦味とややショッパさがありました。飲用することで慢性消化器病や糖尿病に効果があるとのことです。外には露天風呂がありました。内湯からの廃湯がドバドバと流れ込んでいてやはり内湯と同じように原型がわからないほどの堆積物のコーティングが見られます。よくよく見ると所々に木の年輪のようなものが見えます。パンフレットには巨大なケヤキで作ったと書いてありました。内湯も露天風呂も木製の湯舟とは言え、岩風呂に入っているとしか思えないところが凄いです。露天はダム湖を見下ろすことができます。ふと真下を見ると廃湯が作り上げた温泉ドームができていました。とても静かな環境で秘湯としての素質は十分で感動も味わえますが、とにかくテレビや雑誌のマスコミで報道されて人気があるので、混みあうことも多いようなので注意をしましょう。
掲載: 2005/01/22
Data
- 所在地:奈良県吉野郡川上村入之波
- 源泉名:中村源泉
- 入浴 :2003年12月
- 泉質 :炭酸水素塩泉
- 泉温 :源泉39.6度
- 掘削深度:150メートル
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :(浴用)神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性婦人病、ヒステリーなど
(飲用)慢性消化器病、慢性便秘、糖尿病、痛風、腎臓結石など - 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:
- 野趣度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆☆
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