和歌山県
かみこのおんせん・ひすいのゆ
上小野温泉・ひすいの湯
日置川の河原沿いに建つ素朴な温泉施設
熊野古道は日本では12番目に登録された世界遺産として有名です。熊野古道は紀伊半島南部にある歴史的価値のある古い街道の総称で、中辺路(なかへち)はその中心的存在のルートです。上小野温泉「ひすいの湯」熊野古道中辺路の近露王子の近くにある素朴な温泉施設です。それほど大きな温泉施設でもなく小ぢんまりとしているので少々わかりづらいかもしれませんが、集落を抜けていった先の「民宿ちかつゆ」に隣接しています。日置川の河原沿いにありますが、普通の日帰り入浴施設を勝手に想像していたので、実際にはかなり質素な建物で少々びっくりしました。ここは休憩所のある受付棟とその向かいに浴舎があります。午前中に訪れたのですが、このときは他に客がいなかったので「今、沸かしているので少々待ってください」といわれ、休憩所でしばらく待つことになりました。愛想のよい受付の方と会話をして待つこと15分ほどで準備ができたようです。浴舎は男女別の入口に大きな暖簾がかかっていて、暖簾をくぐると段になっているのでそこで履物を脱いであがります。脱衣所は鍵付きの木製ロッカーがあるだけのとても簡素なものです。壁には温泉分析表も掲げられていました。浴室の扉を開けるとそこはタイル張りのいたってシンプルなタイプで、洗い場が3つと大きな湯舟がありました。洗い場には石鹸だけが用意されています。湯舟は7〜8名は入れる大きさで奥の蛇口から湯が注がれています。ジャンジャンと流され湯舟から溢れて掛け流し状態になっていました。加熱していると思うのですが、なかなか豪快ですよね。湯はほとんど無色透明ですが、肌に触れるとツルツルと感じる湯で非常に気持ちがいいものです。湯はほんのりと独特な温泉臭がするようなしないような。ちょっと飲んでみると微妙に塩味があるよな気がしますがほとんど無味です。「女性の黒髪が光沢を放つという柔らかな湯」として知られているそうです。浴室は河原側が曇りガラスになっていますが、窓を開けると目の前が開けていてなかなか開放的な雰囲気です。川のせせらぎを聞きながら(蛇口の湯の音で掻き消されてるかな?)入浴するのも乙なものですね。たまたま時間帯がよかったのか、日がよかったのか、それとも普段からそうなのかはわかりませんが、待っている間も入浴している間も、ずっと貸切状態だったので意外と穴場なのかもしれませんね。とてものどかな場所にあるのでゆっくりのんびりと過ごすことができました。
掲載: 2005/01/23
Data
- 所在地:和歌山県西牟婁郡中辺路町近露
- 源泉名:近露上小野温泉
- 入浴 :2003年12月
- 泉質 :ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉(弱アルカリ性低張性低温泉)
- 泉温 :源泉25.3度
- 湧出量:毎分7リットル
- PH :8.1
- 蒸発残留物:4.217g/kg
- 形態 :温泉浴場 男女別
- 効能 :神経痛、筋肉痛、通風、やけど、慢性皮膚病、便秘など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 下町度:☆☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
温泉レポートを検索