山口県
いちのまたおんせん・いちのまたおんせんほようじょ
一の俣温泉・一の俣温泉保養所
廃校になった小学校を改装してつくった温泉施設
一の俣温泉は山口県豊田町一の俣地区にある静かな温泉地です。国道491号線沿いのやや内陸の田園地帯の広がる長閑な場所で、いくつかの旅館やホテルはあるものの特に華やかな雰囲気もない湯治場的なところです。一の俣温泉は明治45年に掘られ、大正時代に栄えた温泉ということでさほど歴史のある温泉ではありませんが、泉質の良さから地元の方々をはじめ遠方からも湯を求めてくる人も多いという人気ぶりです。一の俣温泉保養所は一の俣温泉街から少し奥まったところにあります。長期滞在にも向いた宿泊施設ですが、日帰り温泉として気軽に立ち寄ることもできる温泉施設です。見た目にはやや古ぼけた雰囲気漂う、素朴な温泉宿といった感じでした。何でも廃校になった小学校の校舎をそのまま利用して作られたという個性的なタイプの温泉宿なのだそうです。確かにまっすぐ延びた廊下や、廊下に並ぶガラス窓などの雰囲気は昔の小学校を偲ばせるどこか懐かしい感じがありました。浴室は廊下の途中に入口があります。脱衣所はわりと広いけれども隅にロッカーが置いてあるだけで非常に殺風景なものでした。浴室の扉を開けると、浴場は少し低くなったところにあり、左右に下りていく階段がありました。中央にはタイル張りでひょうたん型をした湯舟があり、浴室の入口側に洗い場がありました。洗い場には石鹸だけが用意されています。浴室内はわりと広く天井も高いので広々とした雰囲気があります。外壁はプラスチック製の波板で覆われているので、明るい雰囲気もありました。また、ゴムの木や壁一面に垂れ下がったポトスなど熱帯性の植物も多く飾られていて、まるで熱帯植物園のようにもなっています。この一種独特な雰囲気は、鄙びた情緒として受けとるべきなのか、豪快なジャングル風呂として受けとるべきなのか判断に悩むところです。お湯は無色透明で微妙にツルッとした浴感がありました。また子供用かと思わせるような小さな楕円形の湯舟がありますが、こちらは源泉風呂でチョロチョロと冷たい水が注がれていました。大人が入るとひとりでいっぱいというホントに小さなものです。飲泉もできるようでコップも用意されていました。飲んでみるとほとんど味も臭いも感じませんでした。源泉は29.1度ということで特別に冷たいというわけでもなく、比較的入りやすい温度です。温泉を十分に楽しんだ後は広い休憩室もあります。舞台などもあることから元は講堂だったのでしょうね。懐かしい雰囲気を味わいながらのんびりと過ごすことができます。
掲載: 2005/02/20
Data
- 所在地:山口県豊浦郡豊田町一の俣
- 源泉名:一の俣第3号泉
- 入浴 :2003年12月
- 泉質 :アルカリ性単純硫黄泉
- 泉温 :源泉29.1度
- 湧出量:毎分460リットル
- PH :9.93
- ラドン含有量:5.6x10-10 Ci/Kg
- 形態 :温泉宿泊施設 男女別
- 効能 :神経痛・慢性関節リウマチ・慢性筋肉リウマチ・慢性皮膚炎など
- 露天風呂:なし
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆☆
- 野趣度:☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 湯治度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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