岡山県
まがおんせん・まくゆ
真賀温泉・幕湯
お殿様も入った歴史ある名湯
真賀温泉は岡山県湯原町の南部、国道313号線沿いにある小さな温泉地です。温泉地とはいっても崖にへばりつくようにいくつかの温泉宿がならぶとても小ぢんまりとしたところで、看板はあるもののついつい見落としてしまいがちな印象を受けます。しかし真賀温泉の歴史は古く、鎌倉時代の終わりごろの戦に敗れた武将の傷を治した伝説もあり、かつて勝山藩、津山藩の浴場として使われ栄えたそうです。そのときに殿様が他の人に入浴を見られないように幕を張って入浴したというのが、真賀温泉館にある幕湯です。真賀温泉館は国道から急な階段をあがったところにある公衆浴場です。ここは男湯、女湯、家族湯と混浴の「幕湯」がありそれぞれ料金が違います。歴史のある温泉ですが、わりと素朴な浴場で、中に入ると入口に受付があります。奥には細長い休憩スペースがあり、その正面に手前から女湯、男湯、幕湯、家族風呂があります。幕湯は混浴ですが、その脱衣所はとても狭く二人が着替えたらいっぱいといった感じです。またロッカーなどもなく棚があるだけのとても簡素なものです。壁には幕湯にまつわるいわれや、紹介された雑誌の切り抜きなどが数多く貼ってあるところが、どことなくローカルな雰囲気に感じました。浴室もかなり小ぢんまりとしたタイプのものです。とは言っても殿様がひとりで入るには十分な広さはありますけどね。浴室は手前側に洗い場のスペースはあるけど、カランはなく水の蛇口のみがありました。体はさっと汚れを落とす程度で奥の湯舟に向かいます。湯舟は5〜6人でいっぱいの岩風呂で、湯舟の底から伸びた竹筒から無色透明の湯がもこもこっと溢れ注がれていました。実はこの湯舟は源泉の真上にあり、竹筒の根元から湯がコンコンと湧き出ているというオドロキの湯なんです。しかも温度は適温ややぬるめといったところでしょうか。湯舟も底は天然の岩肌で足元からが湧いているのがすぐわかります。湯舟は意外にもとても深くて手前と奥側に段があるけど、深いところは大人の胸より上ぐらいありました。ちょっと暗くて閉鎖的な雰囲気があるので、子供は怖がるかもしれません。(子供は入らないかな?)それにしてもとても滑らかなやわらかい湯で、温度もぬるめなのでいつまでも入っていられます。しばらく入浴していると体に気泡がいっぱいついているのがわかります。それがまたツルッとした浴感でとても気持ちがいいです。この湯の飲用すると胃腸病にもいいということです。さっそく湧き出る竹筒から飲んでみると、無味無臭ですがミネラルウォーターのようなクリアな味わいがありました。ちなみに幕湯を利用するのは観光客が多く、地元の方々は普通の男湯や女湯を利用することが多いようです。
掲載: 2005/03/12
Data
- 所在地:岡山県真庭郡湯原町仲間
- 入浴 :2004年1月
- 泉質 :アルカリ性単純温泉
- 泉温 :源泉39.2度
- 湧出量:毎分205リットル
- 形態 :公衆浴場 混浴(男女別もあり)
- 効能 :胃腸障害、慢性皮膚炎、打ち身、不妊症、不眠症など
- 露天風呂:なし
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆
- 鄙び度:☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆☆
温泉レポートを検索