宮城県
かまさきおんせん・いちじょうりょかん
鎌先温泉・一條旅館
歴史の重みを感じる名湯旅館
鎌先温泉は白石市郊外の山の中にある静かな温泉地です。この温泉の歴史は古く、ある農夫が鎌の先で木の根元を掘ったところ湯が湧きだしたという伝説が残ります。それが正長元年(1428年)というから600年近くも前のことになります。その時の鎌は老舗の旅館「一条旅館」に今でも大切に保管されているのだそうです。鎌先温泉は小さく静かな温泉地ですが、いくつかの旅館に囲まれています。旅館街はとても細い道になっているのでクルマで訪れる際には注意が必要です。一条旅館は温泉街の一番奥にある大きな旅館です。木造四階建ての味のある湯治棟と、鉄筋の大きな旅館部とがありました。浴室は鉄筋の新館と本館(旧館)にあります。新館の浴場はフロントロビーの真上あたりにありました。2階が男湯で3階が女湯になっています。新館は比較的新しいようで館内、浴室ともにとても現代的な雰囲気です。脱衣所はとても広く、棚にはカゴが並んでいます。ロッカーはないので貴重品は手前の会議室(休憩室)のコインロッカーを利用します。洗面台も綺麗で全体的に清潔的な雰囲気です。浴室の隅にはCDラジカセが置かれていてBGMも流されていました。館内放送でないところがミソですね。浴室は内湯と露天風呂があります。内湯は手前に洗い場、奥のコーナーに湯舟があり、壁は大きなガラス窓になっています。大きな旅館のわりには少し小さいのかなという印象を受けました。ガラス戸の外には露天風呂があります。岩風呂になっていますが3階の女湯はひのき風呂なのだそうです。屋根はついていますが、目の前は森になっていて静かで開放的な雰囲気が味わえます。湯はほとんど無色透明で、若干白く濁っている気もします。湯はそれなりに多く注がれているようですが、湯舟から溢れ出る気配もなく、また「この温泉は飲めません」と書かれていることから循環式の湯舟になっているようです。微妙に肌がツルッとする湯ですが、臭いなどは特に感じませんでした。続いて本館の浴室に向かいます。浴室入口前には女性のブロンズ像があり「乙女風呂」となっていました。こちらの浴室は星型半円形の湯舟があり、その中心に湯口がありました。湯口からは少し熱めの湯が注がれていて、湯は無色透明なのですが湯口は赤茶色の付着物が確認できました。こちらの湯舟は源泉100%の掛け流しになっているそうです。飲んでみると微妙に味があるようなないような、ごく微量の塩味を感じました。浴室そのものは小ぢんまりとしていて華やかさもなく素朴な面がありますが、こちらの方がお湯の質もよくのんびりとしていて気に入りました。浴室の前にはちょっとした休憩所もあります。またロビー脇の食事処「都路里(つじり)」では白石名物うーめんを使った特製温麺などの食事もできます。あんかけ風のうーめんがとても美味しかったです。
掲載: 2005/12/18
Data
- 所在地:宮城県白石市福岡蔵本字鎌先
- 源泉名:鎌先の湯
- 入浴 :2004年5月
- 泉質 :ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉(低張性中性低温泉)
- 泉温 :源泉31.0度
- PH :6.9
- 蒸発残留物:1994mg/kg
- 形態 :温泉旅館 男女別
- 効能 :きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
- 露天風呂:あり
- 開放度:☆☆☆
- 清潔度:☆☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 秘湯度:☆☆
- 湯治度:☆☆☆
- 人気度:☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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