沖縄県
なかのゆ
中乃湯
温泉も人情も温かい、南国の温泉銭湯
中乃湯は国道330号線の安慶田交差点から少し脇道に入ったところにある素朴なお風呂屋さんです。素朴というよりは鄙びと表現した方がいいかもしれません。そして一見したところ風呂屋にはまったく見えません。知っている人だけが通えるお風呂屋さんではないでしょうか。番台はどこかな?とキョロキョロしていると、隣の売店前でオバァたちがお喋りをしています。そのオバァの一人がどうやら主のようで、料金を払って中に入ることにします。正面玄関の両脇が男女別の入口なのですが、これがけっこう狭くて大柄な人は通れないのでは?と思うほどの怪しげな雰囲気です。中に入ると意外にも広くて、質素な脱衣所がありました。脱衣所は板張りでペンキを下手に塗りたくったような質素な棚がありました。棚の上部は扉付きになっています。わりと天井も高いので狭苦しさもなくゆったりしていますが、それにしてもかなりの鄙びようです。脱衣所の奥はそのまま浴室になってます。浴室部分が少し低くなっているだけで仕切りのようなものはありません。その浴室もかなりいい味を出しています。中央に楕円形の湯舟がひとつ、どぉーんと構えていて両脇が洗い場です。いたってシンプルなのですが、まず洗い場がいい味を出しています。それぞれ湯と水の蛇口だけがあるのですが、それぞれの先にホースが繋がっていてそのホースはYの字に合流しているのです。理屈は同じなんですがこういうタイプのものはかなり珍しいですよね。石鹸やシャンプーなどはこういった施設ですので用意されていませんので、自分で持参するのが原則です。鏡はちょっと高い位置にあるのでヒゲを剃る時は皆、立っていました。地方に行くとたまにこういったところがありますが、何か不便な気がするのですがどうなんでしょう。そして湯舟ですがこれまた石膏でベタベタと固めただけといった荒い手作り感がいいです。湯は黄緑色をしていて何かとてもいい匂いがしています。そして何といってもツルツルヌルヌルの気持ちいい湯なのです。肌が溶けていくような気持ちになるほどツルツル感が強いです。ちなみに洗い場の蛇口でもツルツル感は味わえます。何とこれらはすべて温泉なのです。沖縄に温泉銭湯があるとはビックリです。でも蛇口の水はほとんど無色透明で匂いも感じなかったので、湯舟では入浴剤でも使用しているのでしょうかね。それを考慮してもこの温泉は凄いです。ちなみに湯は46.3度とかなり熱かったです。沖縄にしては珍しいなと思っていたら、他の客も熱いと騒いでいたのでこの日が特別だったのかもしれません。けっこう深めでヘソの下ぐらいまでありました。ちなみにここでは湯舟を池と呼ぶらしいです。注意書きでは「必ず体を石けんで洗ってから池に入って下さい。」とあります。地方により呼び名や風習の違いの発見は、とても面白いものですよね。とにかく驚きが連続する、南国の温泉銭湯です。
掲載: 2006/01/14
Data
- 所在地:沖縄県沖縄市安慶田
- 入浴 :2005年12月
- 泉質 :アルカリ性鉱泉
- 掘削深度:300メートル
- PH :7.6
- 固形分:1538mg/l
- 形態 :温泉銭湯 男女別
- 効能 :婦人科疾患(冷え込み)、リュウマチス、腺病、虚弱体質など
- 露天風呂:なし
- 脱衣所:あり
- 開放度:☆
- 清潔度:☆☆
- 気軽度:☆
- 下町度:☆☆☆☆☆
- 穴場度:☆☆
- 鄙び度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 素朴度:☆☆☆☆☆
- 異色度:☆☆☆
- 景色 :
- 総合評価:☆☆☆☆
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