沖縄県
しおかわ
塩川
なんとも不思議な塩水の川
塩川は名護の先、本部町の海岸線沿いを走る国道449号脇にある全長300メートルほどの沖縄県一短い川です。しかも単に短いだけの川ではありません。何とその名の通り塩水が流れる摩訶不思議な川なのです。こういった川は世界的にも大変珍しいそうで、国の天然記念物に指定されているほどなのです。とはいえ300メートルしかないのだから大したことはないのだろうと思いながらも興味本位で行ってみることにしました。海岸沿いの道路を走っていると、突然看板が出てきます。付近には何もないところですから海を眺めながら気持ちよくドライブしているとついつい見落としてしまうかもしれません。看板の後方に川へと続く階段がありました。川に辿り着くと護岸が整備され突然川が始まっています。それも水量がけっこう多いのでとてもびっくりしました。すぐ下流には橋が架かっているのでそこから覗き込むと水はわりと勢いよく流れています。水源は大きな岩の割れ目にあり、そこから大量の塩水がコンコンと湧いているようです。この周りはうっそうと木が茂っていて、南国のジャングルにでも来た様なプチ探検隊の気分が楽しめます。湧き水なのでとても冷たいものだと思ったら、けっこうぬる目の水でした。舐めてみると塩辛いというほどでもありませんが、しっかりとした塩味がありました。これは紛れも無く日本の法律上は温泉に該当しますよね。しかしそれにしてもとても不思議です。この塩水はいったいどこからやってくるのか、その生成理由は何なのか疑問に思うところです。説明によると(1)岩塩石層説、(2)サイフォン説、(3)洞窟説などがあるようですが、現在のところ海水に真水が加わっているようなので岩塩層説はないだろうという見解に至っているだけで、詳細はまだまだわからないとのことでした。その川はよく見ると魚も泳いでいるところから、まったく害になるような成分は含まれていないようです。海水が由来とはいえどうやって地上に噴出しているのか、謎は多そうですね。川はそのままビーチに流れ注いでいました。将来ここに入浴施設などができれば「塩川温泉」とでもなるのでしょうかね。今のところ何の施設もないのですが、ビーチの近くでもあるので水着を着てそのまま楽しむことができます。ビーチで泳いだ後にこの川で涼みながら浴びるのもいいかもしれませんね。意外な発見に驚いた、世にも珍しい温泉なのでした。
掲載: 2006/01/21
Data
- 所在地:沖縄県本部町字崎本部塩川原
- 入浴 :2005年12月
- 形態 :河川 混浴
- 脱衣所:なし
- 開放度:☆☆☆☆
- 気軽度:☆☆
- 穴場度:☆☆☆
- 野趣度:☆☆☆☆☆
- 秘湯度:☆☆☆
- 異色度:☆☆☆☆☆
- 景色 :☆☆☆
- 総合評価:☆☆☆
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